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かくいう私も青二才でね

知ってるか?30まで青二才でいると魔法が使えるようになるんだぜ?

フリーゲーム「ザ・スクールジャック」、不謹慎の皮を被った王道RPGだった

ゲーム-週刊フリーゲーム ゲーム

ストーリーもビジュアルも、ものすごく不謹慎なゲームです。

 

しかし、いざやってみると、案外

「あれ?出オチじゃなくて、しっかり作りこまれてる良いゲームじゃないのか!!」

となります。

 

・概要

これを読んでもらうのが一番早いと思う。

 

 ●ストーリー
  17歳の少年、亜冨丸 呈朗(あふがん てろう) は
  高校に進学せず、自堕落な生活を続けていました。
  先の見えない人生になってしまいましたが
  彼はそれなりに日々を楽しんでいたようです。
  それも、あの日まででした。
  偶然再会した中学時代の友人たち・・
  輝いていました・・彼とは比べるべくも無く
  馬鹿にしていました・・落伍者である彼を
  傷つき怒りに震える彼はネットの友人へ相談しました。
  呈朗「学校を襲撃しようと思うんだ」

  ●ゲーム内容
  校内のどこかにいる旧友7人の殺害を目指すゲームです
  時間経過で情勢が変化する校内で探索したり
  デフォ戦したり協力者が出すお題をクリアしたり、な内容
  てゆーか不謹慎ゲームです。過去の凶悪犯罪のパ クリで
  成り立ってます。

 

http://www.geocities.jp/vipkohaku2014/entry/037.html

 

 なにしろ、主人公がこれだからなぁ〜

 

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操作するキャラもこれだし…。

 

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  もう、この時点で笑ったよ。

 

 

ダウンロードはこちら

http://www.geocities.jp/vipkohaku2014/entry/037.html

 過去の凶悪犯罪とネットネタが融合した最高に不謹慎なゲーム、爆誕!!

ネタにしか見えないゲームだが、作者の尋常ないこだわりが反映されている。

 

特に、敵キャラや協力者が出されたネタやアイテムには凶悪事件を元ネタとしたものがいくつか出てくる。

有名どころだと「スーパーヤリヤリサワ―」とか、「火炎瓶」「パイプ爆弾」とか、「3Dプリンターで作れる銃」みたいなのが平気で出てきます。

 

古くは安保闘争の頃の凶器・犯罪から、新しいのはノルウェーでの大量殺人事件まである網羅している。

 

…ちなみに、スーパーヤリヤリサワ―については「ノーベル賞ものの発明」と言い張る実際に作った人達のクソみたいなコメントまで反映している徹底ぶり。

 

コメント欄やアイテム欄まで、じっくり見ていくとネタが豊富なので、犯罪や犯罪を扱ったホラー系のフィクション…あとは、ミリタリー要素(自家製武器)について少し詳しくなるゲームでもある。

 

…細部へのこだわりはフリーゲームの醍醐味の1つだけど、このゲームはそれが徹底しているので、ネタを調べても、ゲームをやりこんでも飽きがこない作品となってる。

 

オタク的な不謹慎・ゲスさはなぜか楽しめるんだよなぁ… 

「学校を占拠して、旧友をジェノサイドする」

というブラックユーモアがむき出しになったゲームだが…これが意外と嫌にならなかった。(無理だという人もいたのでとても万人にはおすすめできないけどね)

 

映画で言うと、TEDは大好きだが、ウルフ・オブ・ウォールストリート(Wow)は吐き気がするほど嫌い。

ついでに言うと、Wowのような作風である「ぼくは愛を証明しようと思う(藤沢数希)」なんて

 

この違いはなにか?

それは「テディベアがかわいいから」なんて話じゃない。

 

双方には「わかったような口を聞いた下ネタ」とか「薬やお酒に溺れるダメな描写」とか「人に迷惑をかけてるシーン」は山のようにある。

 

しかし、そういう自分自身に対してオタク的なコンテンツにはちゃんと罪悪感や背徳感が伴う。それを

・「まともな人はすごい」という部分がコンプレックスの裏返しから来る嫉妬や報われなさ

 ・「私が悪かったです、ごめんなさい」「申しません」という謝罪

・「そんな自分を抜け出したい(一瞬抜けだした自分を素直に喜べる)」根の真面目さ

として、表現される。

 

始まりが屑・口が悪いだけで、意外といい話…というのがオタク版ブラックユーモアのやり口なんだよなぁ。

 

でも、Wowも、ぼく愛も、一ミリもそういう要素がない。

 

Wowなんか、ヤク中でも、人を見下してても、詐欺まがいでも「お金持てば全部許される」という、クソみたいな話だし

 

ぼく愛なんか、成長物語じゃなくて、主人公がゲスになっていく話であり、ゲスにゲスに染まっていく読者と作中の主人公を、恋愛工学を指南するキャラが二重三重に騙す。

 

性根から腐ってるんだよ…エリートが作る話って。

 

だから、絶対的に好きになれない。

だって、ただゲスが人を貶めてるで、女も薬も世の中も自分の奴隷ぐらいにしか思ってないし、なにか悪いことして失敗しても「事故」で処理できる都合のいい脳みそ。

 

ヘイトに聞こえるかもしれないけど、「ブラックジョーク」系の作品で本当に区別して欲しい部分だから、はっきりと言わせて欲しい。

 

クズなりに前に進みたいクズと、前に進む気のないクズは本当に分けて欲しい。

 

…向上心って意味じゃない。

色んな事を思ったり考えたりできるかどうかという話。

自分にとって都合のいい快楽的な感情だけじゃなくて、 背徳感・嫉妬・誘惑に負ける弱い心とそれと向き合う真っ直ぐさと…そういうものも含めて「感情」を持っていける創作物をエリートは逆立ちしても作れない。

 

ザ・スクールジャックには、中身こそ不謹慎でもその辺の繊細さがしっかりしてたから僕は好きだし、こうしてレビューを書いてる。

 

犯罪者として成長することでコンプレックスを克服する主人公

 この作品の面白さは、不道徳・不謹慎を貫いているくせに、主人公がターゲットの同級生達を手にかけるほどに、精神的に成長したり、自身を取り戻したりするところにある。

 

それでいて、ちゃんと「あてつけのヘイト」ではなく、「エピソード」がある。

 

ある子とは幼なじみで、ある子とはリア充に転身する前は仲の良い友達だったり、ある子とはその子がダメダメだった時には仲間意識を感じてたり…。

 

それゆえに、「自分は劣ってる」こともよく理解しているし、理解してたこそ違う道に走った。

あるいは、そういう弱さゆえのクズだから、ネットで見つけた協力者のことを信じることができたのだろう…。

 同じ根源を持つコンプレックスと被害者意識がぶつかり合って、キャラとして深みのあるキャラになっている。 

 

確かに中身は不謹慎で、笑い飛ばしていい題材でも、できることならゲームにしないほうがいい題材なのかもしれない。

 

しかし、この国では犯罪者はなぜか「狂ってしまった人」のように闇に葬られがちであり、「普段おとなしい人がアニメやマンガの影響で魔が差して犯罪に走った」という話にマスコミは持って行きたがる。

 

でも、僕がこのゲームで好きなのは犯罪を描く作品でありながら、

・たとえブラックなネタでも、ネタにネタを積み重ねてるために、突き詰めていく00年代のオタク的な創作手法

・「狂ったのではなく、その人なりの合理性と感情で世界を見た結果の行動」として犯罪者に人間味や整合性を乗っけている所

を高く評価したいと思いました。

 

 

 読まずに、頭ごなしな批判が溢れているところに、きっと今日の僕のゲームは理解されないんだなぁ…って思いました。

 

僕からすれば、ウルフ・オブ・ウォールストリートの元ネタに出てくる詐欺師の方がずっと万死に値するし、本も映画も出しちゃいけない糞野郎だと思うんですけどね…はい。

 

ただ、思うけど偉い人はこんなこと言ってるんだよね。

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」

 

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