蹴球探訪
フロンターレと陸前高田市
築かれた新たな絆
(3月16日)
【ゴルフ】松山英樹、2打差3位 メジャー初V最接近2016年4月11日 紙面から ◇マスターズ<第3日>▽男子メジャー第1戦▽9日、米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC(7435ヤード、パー72)▽賞金総額1000万ドル、優勝180万ドル▽快晴、気温18度、中風▽57選手(うちアマチュア2人) 【オーガスタ(米ジョージア州)松岡祐司】日本男子初のメジャー制覇が見えてきた。首位と3打差の5位で出た松山英樹(24)=レクサス=は3バーディー、3ボギーの72で回り、通算1アンダー。首位と2打差の3位で最終日を迎える。連覇を狙うジョーダン・スピース(米国)は73と苦しみながらも、通算3アンダーで初日からのトップを守った。1打差の2位に24歳の新鋭、スマイリー・カウフマン(米国)が浮上。過去2度優勝の58歳、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)が70で回って松山と同じ3位タイに浮上。両者は最終日、最終組の1つ前で一緒に回る。 上気した顔で右拳を握り締めた。14番グリーン、8メートルの下りライン。松山は軽いタッチで丁寧にボールを押し出した。1秒、2秒、3秒−。ゆっくりと動き始めた球は徐々にスピードを増した。「入ってくれ!!」。そう念じられた球は勢いよくカップにガツン。会心のバーディー奪取で首位のスピースと1打差に迫り、パトロン(観客)も総立ちとなった。 「あれはびっくりした。入っていなかったら、10メートル以上は(オーバーして)行っていたと思う」。見る者は手に汗を握り、打った本人は冷や汗をかいていた。 だが、歓喜の後に“悪夢”が待っていた。15番パー5のグリーン奥カラー、パターを手にした14・5メートルの3打目で異変が発生した。「トップとの差ではなく、イーグルパットの難しさに緊張した。そこからうまくストロークができなくなってしまった」。そこから3打かかり、バーディーもならず。松山を支えていたパッティングに小さなほころびが生じた。そして16番で今大会初の3パット。17番では5メートルのパーパットを外した。想定外の連続ボギーで、最終盤にあえなく急失速してしまった。 好調とは言えない。あり得ないミスがショットに付きまとい、パットも下降線を描きつつある。理想のゴルフとは程遠く、「悪いなりにまとめていったけれど、最後の3ホールで悪いのが出ちゃった感じ」。なのに、この順位。手を伸ばせばゴルフ人生の悲願に届く距離にいることに、松山自身も驚いている。 「今、ここにいるのが不思議なくらい。状態がそこまで良くない中で、1年間、しっかり練習してきた成果かなと思う」 昨春、フロリダ州オーランドにトレーニング施設も完備した7LDKの新居を購入した。大好きな練習、フィジカルトレに注力できる環境が整い、「いまは充実している」と進化が加速。調子や勢いではなく、確固たる実力、成長を実感しているからこそ、背負うべき責任をあえて言葉にすることができる。 プレー後に公式記者会見に呼ばれ、「日本の男子ツアーは女子ツアーに比べて人気がない。僕がここで優勝すると見方も変わってくれると思うので、そのために本当に頑張りたい」と語った。自信と使命を胸に刻み、松山が日本男子未到のメジャーの頂点に挑む。 PR情報
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