(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年4月8日付)
ナイジェリア議会で、2016年度予算の提出を終えて演説するムハンマド・ブハリ大統領(2015年12月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/SUNDAY AGHAEZE〔AFPBB News〕
ナイジェリアはアフリカ最大の石油輸出国だ。だが、ドル不足が、ここ数年で最悪の燃料不足を引き起こした。すでに苦境に陥っていた経済はさらに重荷を背負うことになり、政府は対応を迫られている。
この国は長年、燃料不足に悩まされてきた。原油を自国で精製するインフラを十分に保有していないからだ。
そのため、ガソリンなど石油を精製して作る製品はほぼすべて輸入している。その代金の支払いはドル建てだ。
今年3月初めから、ナイジェリアの国民はガソリンスタンドでいらいらしている。輸入代金の支払いに使える外貨――1日当たり1000万ドル前後――をナイジェリア国営石油公社(NNPC)も民間の石油会社も持ち合わせていないからだ。
この国で断続的に生じる燃料不足は1~2週間で解消されるのが普通だが、今回の危機はすでにそれよりも長くなっており、かなり長期化する恐れも出ている。
「こりゃ本当にお手上げだ!」。今週(4月第2週)、ナイジェリアの商業の都ラゴスで、ドライバーが怒りの声を上げた。NNPC所有のガソリンスタンドから数キロも続く車の行列をすり抜けようとしたときのことだ。この国でも指折りの裕福な地区イコイにあるガソリンスタンドの周りの交通はすべて、この行列のせいで麻痺状態に陥っている。
アヨさんと名乗る別の男性ドライバーは、ガソリンを入れようと朝3時から待ち始めてもう7時間になると教えてくれた。「俺は改革を支持して投票した。その結果がこれだ。朝から晩までイライラのし通しだ」