ドローン使って宅配 「特区」で実証実験
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国家戦略特区の事業として、小型の無人機・ドローンでマンションなどに荷物を届ける宅配サービスを検討している千葉市で、実用化に向けた実証実験が始まりました。
千葉市は、国家戦略特区の事業としてドローンを使った宅配サービスを検討していて、11日、千葉市と国、関連する企業が参加して実用化に向けた実証実験を初めて行いました。
ドローンは、あらかじめ目的地やルートを設定して自動的に飛行する仕組みで、まずショッピングモールで客が購入した商品を駐車場に運ぶという想定で、かごに入れたワインボトルを運びました。また、10階建てのマンションの屋上に薬を届ける実験では、ドローンが屋上を超える高さまで一気に上昇し、決められたポイントに着陸しました。
千葉市などは、今後実験を重ねて安全性の検証や飛行ルールの検討などを進め、3年以内に実用化を目指したいとしています。合わせて、千葉市の幕張新都心に今後建設される高層マンションのベランダに、ドローンの発着スペースの設置を検討するよう要請するということです。
千葉市は「ドローンによる宅配の実用化で、配達の時間を短縮したり荷物の受け取りの利便性の向上につなげたりしたい」としています。実験のあと、千葉市の熊谷俊人市長は「住民の理解を得られる形でなければ、実用化できないと思っている」と述べました。
ドローンは、あらかじめ目的地やルートを設定して自動的に飛行する仕組みで、まずショッピングモールで客が購入した商品を駐車場に運ぶという想定で、かごに入れたワインボトルを運びました。また、10階建てのマンションの屋上に薬を届ける実験では、ドローンが屋上を超える高さまで一気に上昇し、決められたポイントに着陸しました。
千葉市などは、今後実験を重ねて安全性の検証や飛行ルールの検討などを進め、3年以内に実用化を目指したいとしています。合わせて、千葉市の幕張新都心に今後建設される高層マンションのベランダに、ドローンの発着スペースの設置を検討するよう要請するということです。
千葉市は「ドローンによる宅配の実用化で、配達の時間を短縮したり荷物の受け取りの利便性の向上につなげたりしたい」としています。実験のあと、千葉市の熊谷俊人市長は「住民の理解を得られる形でなければ、実用化できないと思っている」と述べました。
さまざまなメリットが生まれると期待
将来的に、ドローンの宅配サービスが実用化されれば、さまざまなメリットが生まれると期待されています。
千葉市などによりますと、サービスが実用化されて低価格化も実現すれば、配送にあたる人件費の削減など事業者のコスト削減につながる可能性があり、利用者にとっては料金が安くなることが期待されます。また、トラックでの配送とは異なり交通渋滞に巻き込まれる心配がないため、配達時間の短縮やより正確な時間に配達することも期待できるということです。さらに、マンションのベランダまで品物を届けられるようになれば、事業者にとっては、高層マンションで各家庭まで届けて回る手間や、受け取る人が不在の場合の再配達の手間が省けるといったメリットも期待されます。
利用者にとっては、不在時でもベランダに品物が届き、再配達を依頼する手間がかからなくなり、千葉市は、特に子育て中の家庭やお年寄りの世帯での利便性の向上につなげたいとしています。
実証実験に携わる千葉大学が作ったベンチャー企業「自律制御システム研究所」の社長で、千葉大学の特別教授、野波健蔵さんは「将来的には、10機、20機ものドローンが空を行き交うような状況を作っていきたい。日本の大きなプロジェクトと位置づけて、なんとか成功させたい」と話しています。
千葉市などによりますと、サービスが実用化されて低価格化も実現すれば、配送にあたる人件費の削減など事業者のコスト削減につながる可能性があり、利用者にとっては料金が安くなることが期待されます。また、トラックでの配送とは異なり交通渋滞に巻き込まれる心配がないため、配達時間の短縮やより正確な時間に配達することも期待できるということです。さらに、マンションのベランダまで品物を届けられるようになれば、事業者にとっては、高層マンションで各家庭まで届けて回る手間や、受け取る人が不在の場合の再配達の手間が省けるといったメリットも期待されます。
利用者にとっては、不在時でもベランダに品物が届き、再配達を依頼する手間がかからなくなり、千葉市は、特に子育て中の家庭やお年寄りの世帯での利便性の向上につなげたいとしています。
実証実験に携わる千葉大学が作ったベンチャー企業「自律制御システム研究所」の社長で、千葉大学の特別教授、野波健蔵さんは「将来的には、10機、20機ものドローンが空を行き交うような状況を作っていきたい。日本の大きなプロジェクトと位置づけて、なんとか成功させたい」と話しています。
実用化に向けた課題は
ドローンを使った宅配サービスの実用化には、安全性の確保や住民の理解など、さまざまな課題もあります。
千葉市や国とともに実証実験を行い、安全性などの検証を進める役割を担うのが、千葉大学がつくったベンチャー企業「自律制御システム研究所」です。
社長を務める千葉大学の特別教授、野波健蔵さんは、現時点での大きな課題は強風などの悪天候だといいます。将来的に、超高層マンションへの宅配を想定すると、およそ150メートル上空まで高度を上げる必要があるということで、地上よりも風が強まるおそれがあります。野波社長は「さまざまな気象条件の中でどこまで耐えられるか、耐久試験のようなものを実施したい」と話しています。
不測の事態を想定して、より正確で安全性の高い制御や操縦の技術開発や、緊急時の備えなどを進めることも欠かせません。上空で突然故障したり、鳥と衝突したりして機体に異常が発生した際にも、安全に不時着できるよう、パラシュートの搭載を検討するということです。
将来的に、ドローンの普及が進むことを想定して、ドローンどうしの衝突事故を防ぐため、航空管制をモデルとする管制システムの開発も必要だと、野波さんは指摘します。野波さんは「飛行状態をすべてモニターして、安全に飛行させる必要がある。地上や海上の危険物を避けることも必要だ」と話しています。
マンションへの宅配で部屋の近くを飛行する場合、住民のプライバシーをどう守るのか、住民の理解を得られるのかも大きな課題です。野波さんは、「プライバシーや騒音の問題などについて、常に住民の人たちと相談しながら、安全第一に進めていきたい」と話しています。
千葉市や国とともに実証実験を行い、安全性などの検証を進める役割を担うのが、千葉大学がつくったベンチャー企業「自律制御システム研究所」です。
社長を務める千葉大学の特別教授、野波健蔵さんは、現時点での大きな課題は強風などの悪天候だといいます。将来的に、超高層マンションへの宅配を想定すると、およそ150メートル上空まで高度を上げる必要があるということで、地上よりも風が強まるおそれがあります。野波社長は「さまざまな気象条件の中でどこまで耐えられるか、耐久試験のようなものを実施したい」と話しています。
不測の事態を想定して、より正確で安全性の高い制御や操縦の技術開発や、緊急時の備えなどを進めることも欠かせません。上空で突然故障したり、鳥と衝突したりして機体に異常が発生した際にも、安全に不時着できるよう、パラシュートの搭載を検討するということです。
将来的に、ドローンの普及が進むことを想定して、ドローンどうしの衝突事故を防ぐため、航空管制をモデルとする管制システムの開発も必要だと、野波さんは指摘します。野波さんは「飛行状態をすべてモニターして、安全に飛行させる必要がある。地上や海上の危険物を避けることも必要だ」と話しています。
マンションへの宅配で部屋の近くを飛行する場合、住民のプライバシーをどう守るのか、住民の理解を得られるのかも大きな課題です。野波さんは、「プライバシーや騒音の問題などについて、常に住民の人たちと相談しながら、安全第一に進めていきたい」と話しています。