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※ 明確に文言として「集団的自衛権」とは書かれていないですよ。
「集団的自衛権」の概念は、当時からあったはずです。※
プラハの春を御存知ですよね?
集団的自衛権を行使してソ連がチェコに軍事介入しました。
その12年前の1956年にハンガリー動乱にやはりソ連は集団的自衛権を口実に軍事介入しました。
昭和56年には、フランスがチャドに、アメリカがニカアグラに集団的自衛権を行使して軍事介入しました。
自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の対処としての軍事介入を、当時から「集団的自衛権」と国際的には指しているわけです。
日本は、平和憲法の国家ですから、集団的自衛権を行使しての軍事介入は毛頭出来る筈もありません。当時も今現在も変わりません。
それが出来るなどという議論さえないのです。当たり前すぎて。
ここまで異論ありますか?
その上で、稲葉誠一の「憲法、国際法と集団的自衛権」に関する質問に対する答弁書を読んでみましょう。
「国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもつて阻止する権利を有しているものとされている。」
これが、アメリカ、ソ連の主張する国際法上の集団的自衛権の事です。
「我が国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、」
日本は独自に平和憲法を持っていますが、国際法上はだからと言って区別されるわけではありません。
「憲法第九条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、」
自衛権とは「防衛するため必要最小限度の範囲」が自衛権の行使の範囲だと言っていますね。
「集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであつて、憲法上許されないと考えている。」
限定的集団的自衛権とは言ってないです。あくまでも、国際法上の軍事介入等を範囲に入れた集団的自衛権が、その自国自衛の範囲を超えるもので、違憲であるとしています。
今回の安保関連法案は「防衛するため必要最小限度の範囲」が明記されています。
この限定的集団的自衛権は違憲にはあたらないのです。
小林節の6月4日の公聴会の質疑での発言では、
「この九条をそのままにして、海外派兵。集団的自衛権というのは、いろいろな定義がありますが、国際法というのは、まだ法自体が戦国乱世の状態で中心的有権機関なんかないわけですから、世界政府がないわけですから。ですから、それぞれがいろいろ言っているおおよそのところからいけば、少なくとも、仲間の国を助けるために海外に戦争に行く、これが集団的自衛権でないと言う人はいないはずです。これをやろうということですから、これは憲法九条、とりわけ二項違反。」
先ず、
「海外派兵」これは「介入する軍隊」の意味ですね。
「海外に戦争に行く」 つまり、「他国に軍事介入する戦争」は、
憲法九条に違反だと言っています。
あ た り ま え。
誰だって、
「自衛隊が他国に戦争に行くのは憲法違反ですか?」と質問されれば、
「違憲です」と答えます。
私も違憲だと答えます。
対する北側の答弁
「国際法の立場からいいますと、公海上でそうした他国船に対して第一撃があった場合に、それを排除していくというのは、それはやはり、国連憲章上、違法性阻却事由とされています集団的自衛権の一部を根拠とする場合が出てくるのではないか、こういう議論なんです。
だから、国際法の先生方の考えと憲法の先生方の考えとが、率直に申し上げますと、ちょっと次元が異なっているような場合も多々あるかというふうに私はお見受けしております。
国際法上きちんとそれを正当化させるためには、国連憲章で言っているところの集団的自衛権の一部が含まれるよというふうに言った方が、国際法上はより明らかになるということでございまして、そういう趣旨で、あのような極めて限定的な集団的自衛権の容認という形になったということでございます。」
北側の方が正論です。
小林節は、違憲かどうかの意見のその中にわざと「戦争」と言う語句を出して侵略性を決めつけ違憲としました。彼の意見では、他国の領域になんらかの武器を持った自衛隊が跨いだ時点で憲法違反になりますので、過去のロジックとも矛盾します。
まぁ、もともと過去憲法上問題があるから憲法改正するのだと言う人でしたからね。
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