世界最速で走る美術館を楽しんで――。東日本旅客鉄道(JR東日本)は11日、現代アートをテーマにした新幹線「現美(げんび)新幹線」の内装を報道陣に公開した。外の景色が映り込んだり車両が揺れたりすることで車内に展示した作品の表情も変化する。29日から越後湯沢―新潟間を運行する。
6両編成で車両ごとにテーマの異なる作品を展示した。壁面に展示した写真や鏡の作品は、反対側の窓から見える外の風景が映り込む。先頭車両のカーテンは窓の外から入り込む光によって印象が変わる。トンネル内では模様がくっきり浮かび上がるが、外に出ると全体が黄色くなる。
新幹線の揺れに合わせ、水面がゆらゆらと動くようにイメージした作品を展示した車両もある。車両の開発を担当したJR東日本の菊地隆寛・運輸車両部次長は「新幹線の特徴を生かした新しいアートを楽しんでほしい」と話す。
現美新幹線は「E3系」車両を約5億円かけて改造した。座席は105席用意し、乗客は車内を自由に移動できる。外観はダークブルーを基調とした車体に長岡の花火の写真で装飾した。指定座席の料金は通常の新幹線と同じで、越後湯沢―新潟間なら5380~5580円。旅行のパック商品も企画する。