有名ヘヴィメタルバンドのギタリストが時計職人に転身したわけ

2016.04.11 16:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アンスラックス ダン・スピッツ 時計職人


形は違えど、どちらも超絶技巧が必要な分野。

メタルヘッズの皆さんは、1983年から1995年までアンスラックスでギタリストとして活躍していたダン・スピッツを覚えているでしょうか?

バンドを去った今、彼は世界屈指の時計職人に転身しています。bOinGbOinGが取り上げた、Great Big Storyの動画で彼の現在の様子をご覧ください。



音楽界にスラッシュメタルというジャンルを生み出す一翼を担い、大成功を収めたアンスラックス。しかし、家族を持ったことで「もうツアーは充分だ」と感じたダンは一度、音楽業界から離れることを決意します。


アンスラックス ダン・スピッツ 時計職人

アンスラックス在籍時はこんな感じでした


実はスピッツ家は、宝石店を営んでいた祖父の代から続く時計職人で、ダンはその3代目になると言います。

8歳の時に、おじいちゃんの店にあった時計を分解してしまったんだ。1995年になって自分の家系と向き合い、イカれている前衛的な時計職人になろうと思ったんだ。この仕事はスラッシュメタルと同じ価値があるんだよ。

と話す彼は、3年ごとに世界中から6人しか生徒を採用しない、スイスの時計学校に合格。そこから時計職人としての才能を開花させたのでした。

時計修理に関して、ダンはこう語っています。

修理に出されるのは500万円から2~3千万円くらいの時計で、電池もなければ基盤もなく、2~4千個もの細かいパーツを組み合わせてできているんだ。そこに設計図はなく、何が問題かを見つけて正確に直さないといけない。やっとそれを見つけた時は至福の瞬間だね。


アンスラックス ダン・スピッツ 時計職人

時にはすべてバラバラにしなければいけない


そして最後に、「録音スタジオやステージでは間違いは許されない。俺はそれを時計修理の世界でもやっているんだ」と締めくくっています。

一念発起して完全な異業種でまたその道を極めるというのは、並大抵の努力でできるものではありません。ダンの中ではまだまだメタルの精神も健在で、巧みに音楽と時計修理を結びつけているのが興味深いです。


image:bOinGbOinG
source: YouTube via bOinGbOinG

岡本玄介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Fistful of Metal
  • Megaforce
  • For All Kings/digipak
  • Nucle
・関連メディア