有名ヘヴィメタルバンドのギタリストが時計職人に転身したわけ
形は違えど、どちらも超絶技巧が必要な分野。
メタルヘッズの皆さんは、1983年から1995年までアンスラックスでギタリストとして活躍していたダン・スピッツを覚えているでしょうか?
バンドを去った今、彼は世界屈指の時計職人に転身しています。bOinGbOinGが取り上げた、Great Big Storyの動画で彼の現在の様子をご覧ください。
音楽界にスラッシュメタルというジャンルを生み出す一翼を担い、大成功を収めたアンスラックス。しかし、家族を持ったことで「もうツアーは充分だ」と感じたダンは一度、音楽業界から離れることを決意します。
アンスラックス在籍時はこんな感じでした
実はスピッツ家は、宝石店を営んでいた祖父の代から続く時計職人で、ダンはその3代目になると言います。
8歳の時に、おじいちゃんの店にあった時計を分解してしまったんだ。1995年になって自分の家系と向き合い、イカれている前衛的な時計職人になろうと思ったんだ。この仕事はスラッシュメタルと同じ価値があるんだよ。
と話す彼は、3年ごとに世界中から6人しか生徒を採用しない、スイスの時計学校に合格。そこから時計職人としての才能を開花させたのでした。
時計修理に関して、ダンはこう語っています。
修理に出されるのは500万円から2~3千万円くらいの時計で、電池もなければ基盤もなく、2~4千個もの細かいパーツを組み合わせてできているんだ。そこに設計図はなく、何が問題かを見つけて正確に直さないといけない。やっとそれを見つけた時は至福の瞬間だね。
時にはすべてバラバラにしなければいけない
そして最後に、「録音スタジオやステージでは間違いは許されない。俺はそれを時計修理の世界でもやっているんだ」と締めくくっています。
一念発起して完全な異業種でまたその道を極めるというのは、並大抵の努力でできるものではありません。ダンの中ではまだまだメタルの精神も健在で、巧みに音楽と時計修理を結びつけているのが興味深いです。
image:bOinGbOinG
source: YouTube via bOinGbOinG
(岡本玄介)
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