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止まらない円高・株安、個人消費に陰り?

TBS系(JNN) 4月11日(月)19時21分配信

 円高と株安が止まりません。経済の先行きがますます見えにくくなっています。影響が出るのがやはり家計。このため、ゴールデンウイークの消費にも暗い影を落としそうです。安倍政権が目指すデフレ脱却はどうなってしまうのでしょうか。

 お祝いムードに包まれた東京ディズニーシー。11日、15周年を記念するイベントが報道陣に公開されました。ただ、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた2015年度の入園者数は、4年ぶりに減少。運営会社の「オリエンタルランド」は、「2014年度は『アナと雪の女王』の関連イベントなどで過去最高を記録。それに比べると2015年度は勢いが落ち着いた」と説明しています。

 しかし、消費者からはこんな声も・・・

 「食費は削るのは難しいが、遊び、交際費を削らないと」

 日銀が11日に発表した生活意識に関するアンケート。今の景気については、前回の調査よりも5.2ポイント悪化しました。先行きへの不透明感は間近に迫ったゴールデンウイークにも影響を与えそうで、JTBの調査では旅行中に使うお金の減少が見込まれています。

 明るみになり始めた消費の鈍化。これに敏感に反応したのが「デフレの象徴」とも呼ばれた吉野家です。吉野家は先週、4年半ぶりに牛丼より50円安い豚丼を復活。一部商品は値下げしました。

 「いろいろなものを買い控えしちゃう。(買うのは)今なのかな、もうちょっと我慢しようかなって」
 「(消費税率が)5%から8%に上がって、また10%に上がっちゃうから、同じ給料でも生活は苦しくなるかな」(街の人)

 11日の東京市場で、円相場は一時、1ドル=107円台半ばまで急速に円高が進行。平均株価の下げ幅は一時、300円に迫り、円高・株安の流れに歯止めがかかりません。

 「家計部門では、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費が底堅く推移しています」(日銀 黒田東彦総裁)

 日銀の黒田総裁は相変わらずの強気ですが、個人消費はすでに息切れが始まっています。(11日16:42)

最終更新:4月11日(月)22時14分

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