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【主張】女児殺害に無期 裁判員の判断尊重したい

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【主張】
女児殺害に無期 裁判員の判断尊重したい

 裁判員らは供述内容の真実性、信用性を読み取るべく、長時間にわたる録画の生々しいやりとりを見続けた。そして詳細に検討し、「自白内容は犯人でないと語れない具体性と迫真性があり、十分信用できる」と結論づけた。

 取り調べの可視化については当初、検察、警察の抵抗が強かったが、さまざまな試行により、供述の信用性の補強や過度の調書依存からの脱却に有効であるとするメリットも指摘されていた。

 また裁判員制度は、国民の司法参加により、その日常感覚や常識を判決に反映させることなどを目的に導入されたものだ。

 疑わしきは被告人の利益とする無罪推定の原則は職業裁判官と同様に厳守すべきだが、一方でこの説明を受けた上でなお、公判や評議を通じて有罪と信じるに足ると判断すれば、社会正義の実現に寄与しなくてはならない。

 公判は判決まで16回を数え、予定された判決日も延期された。それだけ裁判員らが事件と真摯(しんし)に向き合い、苦しみ抜いて結論を導き出したということだろう。新証拠の発見などの事情を除き、裁判員の判断は尊重すべきである。

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