【巨人】坂本、由伸政権初ヒーロー打!単独首位!

2016年4月11日6時0分  スポーツ報知
  • 7回2死一、三塁、坂本が右中間に勝ち越しの適時二塁打を放ち、ガッツポーズを見せた

 ◆中日2―7巨人(10日・ナゴヤドーム)

 由伸巨人が鮮やかな逆転勝ちで、単独首位に躍り出た。1点を追う7回2死、立岡のタイムリーで同点に追いつくと、なおも一、三塁からキャプテン・坂本が勝ち越しの2点二塁打。この一打で火がついた打線はこの回、打者一巡の猛攻で一挙6点を挙げた。前日は延長12回で無得点と沈黙した攻撃陣が、6試合ぶりの2ケタ安打と息を吹き返しての快勝。4番手の戸根が今季初勝利をマークした。

 不屈のスイングが巨人を蘇生させた。坂本が満身創痍(そうい)の体にムチを打ち、二塁ベースにたどり着くと、ベンチのナインは総立ちになった。「この1週間は打線が引っ張れず、投手に迷惑をかけていた。今日はバッターの方で『点を取って勝とう』と話していました」。そのまま代走・吉川を送られるほど下半身が万全でない中で、放った決勝打。主将の一撃をきっかけに、沈黙していた打線は7回、打者一巡で一挙6得点と大爆発した。

 7回、同点に追いつき、なおも2死一、三塁。又吉のスライダーを強振すると、痛烈なライナーが右中間を破った。1分けを挟んだ連敗を2で止める、勝ち越しの2点適時二塁打。「個人的にもチャンスに打てていなかったので、かえせて良かったです」。驚異の11試合連続ヒットとしたが、意外にもV打は今季初だった。6回に主砲・ギャレットの適時打でチーム25イニングぶりの得点を刻み、続く7回にビッグイニング。由伸監督が奮起を促していたクリーンアップのバットが、快勝へといざなった。

 開幕から全15試合に先発出場しながら、下半身のコンディション不良で7日の阪神戦(東京D)、9日の中日戦(ナゴヤD)、さらにはこの日と3試合で途中交代を余儀なくされた。それでも「大丈夫です」と弱音を吐かずに活躍を続ける舞台裏には、開幕前にふと思い出した「4年前の教え」があった。

 「どこか痛くても、目の前に腹をすかせたトラがいたら、『食べられてしまう』と思って全力で逃げられるだろ? 命を懸けた状況で、逃げられないとき以外は、試合に出続けるんだ」

 全試合に出場し、初タイトルとなる最多安打に輝いた12年。足、腰、手首…と度重なるけがを、トレーナーから授かったこの言葉を胸に乗り越えた。昨季は左ふくらはぎの故障で6年ぶりに全試合出場を逃し、迎えた節目のプロ10年目。強い決意をもう一度、胸に刻んでグラウンドに立っている。

 指揮官は「あの回に、何とかみんながチャンスを生かしてくれました。特に勇人がいいところでタイムリーを打ってくれました」と7回の猛攻に目を細めた。殊勲のヒーローは「ボールに食らいついていきました。もっともっと、バッターがピッチャーを楽にしてあげられるようにしたいです」と力を込めた。単独首位に再浮上した由伸ジャイアンツ。キャプテンの胸中には、身を粉にする覚悟が確かにある。(中村 大悟)

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