日本初の南極探検の記録映画 最新のデジタル技術で修復

日本初の南極探検の記録映画 最新のデジタル技術で修復
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明治45年に探検家の白瀬矗(のぶ)中尉が日本人として初めて南極大陸に上陸した際に撮影されたフィルムが、このほど最新のデジタル技術を用いて当時の姿に修復されました。
このフィルムは、白瀬矗中尉らの探検隊が今から100年以上前の明治45年に、日本人として初めて南極大陸に上陸した際に撮影されたもので、国内では最古の長編記録映画とされています。フィルムは、静岡県内の民家に残されていましたが損傷が激しく、東京国立近代美術館フィルムセンターがおよそ2年半かけてデジタル技術を用いて修復作業を行ってきました。
修復を終えたフィルムは46分間で、汚れや傷が取り除かれ輪郭が鮮明になっているほか、初期の白黒映画で一般的だったフィルム全体にオレンジ色や青色の着色を施した部分についても当時の色が復元されています。フィルムには、南極に上陸する探検隊の姿や、当時の日本人には珍しかったペンギンの群れなどが映っていて、白瀬中尉は帰国後、探検のために負ったばく大な借金の返済のため全国でこの映画を上映して回ったということです。
フィルムセンターのとちぎあきら主任研究員は「南極探検は明治時代の人たちの冒険に対する憧れを実現した一大イベントだった。修復されたことで、当時の人たちがこの映画を見てどんな感銘を受けたのか知ることができると思う」と話しています。
フィルムは、ことし秋に東京・中央区の東京国立近代美術館フィルムセンターで公開されます。