イノシシ、シカによる農作物への被害は昔からあり、獣害を防ぐため江戸時代には、市内でも小泉、大久保辺りに「シシ垣」と呼ばれる石垣が築かれ、現在も当時のまま残っています。この頃のイノシシ、シカの捕獲は、幕府により厳しく管理されており、農民が自由に捕獲することはできませんでした。
昭和になり、戦後の食糧不足から乱獲され、イノシシ、シカの生息数が激減し、被害はあまり見られなくなりました。また、生息数の減少とともに狩猟者人口も過去30年間に53万人から16万人へと37万人も減少しました。
しかし近年、イノシシ、シカの生息数が回復し、再び獣害が発生するようになりましたが、被害のなかった時代が長く、被害に対する免疫、備えがなくなったことや狩猟者の減少・高齢化により捕獲圧が低下したことなどにより、獣害の勢いを食い止めることができない状況にあります。
獣害は、現状を把握し、集落ぐるみで適切な対策・管理を行えば確実に減らしていくことができます。そこで、市ではイノシシ、シカ、サルの獣害対策について、どこで、何が、どれだけ必要なのかを明らかにした「獣害対策マスタープラン」を作成し、米原市独自の交付金制度も創設して、集落ぐるみの獣害対策を支援していきます。
シカ、イノシシ、サルによる農作物、生活環境への被害が深刻化しています。
管理されていない竹林があると、タケノコがイノシシのエサになる他、獣が潜みやすくなるため、集落等により近いところに獣が出没しやすくなります。
獣道となっている場所がないか確認します。日頃から獣が潜む場所をできる限りなくすため、農地や人家周辺の除草等を行うことが大切です。
電気柵はしっかり管理されているでしょうか?
侵入防止柵沿いを歩いて確認します。侵入防止柵は設置して終わりではありません。適切な管理ができていなければ再び獣の侵入を招くこともあります。
集落環境点検の後は集落等における情報共有が大切です。獣害は決して農家だけの課題ではありません。
侵入防止柵の設置と維持管理
獣害対策のイメージとポイント、獣害対策マップ
このマップは、市内の電気柵やワイヤーメッシュ柵の設置状況等を表しています。 黒線は設置済みの柵、青線は集落で設置の決定をされた、または現在設置中の柵、赤線は集落環境点検や周辺の状況から設置の必要がある柵です。 獣は柵が設置されると、周辺の柵のないところに移動し、農地に侵入します。 このマップで御自分の集落および周辺の設置状況を確認され、未設置や追加の設置が必要な場合は、集落でのお話合いをお願いします。