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【ゴルフ】

菊地絵理香、吹っ切れて大会新V

2016年4月11日 紙面から

18番でパーパットを沈め優勝し、ギャラリーの声援に応える菊地絵理香=兵庫・花屋敷GCで(神代雅夫撮影)

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◇スタジオアリス<最終日>

 ▽10日、兵庫県三木市・花屋敷GCよかわC(6293ヤード、パー72)▽曇り、気温18・2度、風速1・7メートル▽賞金総額6000万円、優勝1080万円▽58選手(うちアマ3人)▽観衆7878人

 前日63の猛攻で首位を奪った菊地絵理香(27)=オンワードホールディングス=が4バーディー、2ボギーの70とさらに伸ばし、通算14アンダーの大会新記録で優勝を飾った。今季初、昨年4月のKTTバンテリンレディス以来のツアー通算2勝目。快進撃のきっかけは、なんとマスターズ初日の衝撃シーンだったという。4打差の10アンダー2位に鈴木愛(21)=セールスフォース=と韓国の申(シン)ジエ、8アンダー4位に木戸愛(26)=ゼンリン=ら3人が入った。

 大会初日の早朝。毎年マスターズ中継を見ながら出かける準備をしているという菊地は、目覚めと同時にテレビをつけた。するとその瞬間、衝撃映像が…。そこには、アーニー・エルス(南アフリカ)が6パットする痛々しい姿が映っていた。

 「エルスが6パット!…。見ちゃいました、いきなり」。自分の試合前に悪いものを見てしまった、と暗い気持ちにはならなかったのか。「いや、分かる〜って思ったのが最初で、その後は私の悩みなんて大したことないな、と」。昨年の序盤戦は平均パット数でしばらくツアー1位を走っていたが、今年は「全然入ってくれない」という自称ボロボロ状態。だからこそ、エルスの惨状に共感できた。

 その後もパトロン(観客)の声援を受けて気丈にプレーを続けるエルスの姿勢に勇気をもらい、初日は5バーディー、2ボギーの69。ぐにゃぐにゃパターでの練習も生きてボールの転がりがよくなった。そして2日目に大会コースレコード更新の63。これまでのうっぷんを晴らすかのようにバーディーを量産した。

 最終日は9番で12メートルのバーディーパットを沈め、カップまでガッツポーズで闊歩(かっぽ)。16番ではピン奥から3メートルの微妙なフックラインを仕留め、勝利を確信づけた。

 2位と4打差。大会Vスコア記録を一気に5打も更新する14アンダー。ド派手なツアー2勝目に「今年の自己目標は2勝目達成とメジャー制覇、それに賞金ランク5位以内。年間1億円突破も目指します」。さらに「全米女子オープン予選には出ずに、全英出場を狙ってます」と目標を話した。

 “お上品なレディー”のイメージが漂うが、「もし男性に生まれていたら格闘技をやってみたかった」という、隠れ武闘派女子。今季はまだまだ暴れます。 (月橋文美)

 

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