「密室審査」と批判を浴びた旧エンブレムの撤回から220日−。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会はようやく最終候補となる4作品の公開にこぎ着けた。組織委は事前公表で、審査の透明性をアピールする狙いだが、いったん落選した作品を“敗者復活”させるという、これまでの説明にはなかった対応をしていたことを突如、公表し、審査に新たな不透明感を残した。
組織委によると、4作品のうち、エンブレム委が当初、最終候補に選んだのは1作品のみで、残りはあらかじめ選ばれていた「次点」から2作品と、いったんは落選した作品から1作品を「敗者復活」させた。商標調査の結果、類似する図案がすでに登録されていることが発覚し、「すべて落ちてしまうのではないかと危機感があった」(組織委)ためという。
前回、白紙撤回された旧エンブレムの選定では、審査員でもあった組織委のスタッフ(当時)らが一部のデザイナーの作品を優遇、2次審査に残るように画策していたことが判明し、「密室の審査」などと批判された。
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