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【サッカー】

大久保が後半49分に決勝弾 歴代単独トップのJ1通算159ゴール

2016年4月11日 紙面から

ゴールを決め、メッセージが書かれたTシャツを掲げる大久保

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◇J1第1S第6節 川崎1−0鳥栖

 大久保がラストプレーで跳び、決め、そして叫んだ。後半49分。小林がノールックで「(大久保)嘉人さんならいる」と左クロスを送った。高速パスはファーサイドへ。「顔面でもいい」と170センチの体を弾丸にし、頭で突き刺した。直後に試合終了。“サヨナラ”ヘッド弾はJ1通算単独トップの159点目、チームを再び首位へと導いた。

 「落水洋介 負けるな」

 ゴール後。病魔と闘う同級生へのメッセ−ジを込めたTシャツを掲げた。小学生時代のサッカー仲間が、筋力が衰えていく難病の「原発性側索硬化症」を発症。大久保は「点を取って掲げたかった。それぐらいしかできないからね」と言葉に力を込めた。

 だから、両脚がけいれんしても疾駆した。決勝弾の2分前にネットを揺らすもオフサイドでノーゴールに。それでも心は折れず、「(決勝点の時は)何であそこにいたのか分からない」という得点を生み出した。

 広島のFW佐藤を抜き、J1通算得点で初めて単独トップに立った。この日、後半33、45分と決定機を外していた大久保は「ほっとした。入って良かったなって。(ファンに)何て謝ろうかなと思っていた。ストライカーは地獄に落ちるか。天国に上るか。きょうは地獄からはい上がったよ」と声が上ずった。重圧から解放され、やっと笑みがこぼれた。

 2日に行われた前節の鹿島戦で引き分け、首位から陥落したが、エースが左太もも裏痛から完全復活して再奪首に成功した。「まだまだここから」。33歳の両足、頭はさび付かない。J1史上最強ストライカーの切れ味は、得点を積み上げる度に増すばかりだ。 (占部哲也)

 

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