北村有樹子
2016年4月11日10時01分
保育士の離職を防ごうと、メンタルケアや残業抑制など働きやすい職場にするための取り組みが、現場で進んでいる。保育士が辞めたくなる理由の上位には、給与の低さだけでなく、「仕事の多さ」や「職場の人間関係」があるためだ。
■新人に助言「メンター制度」
保育の現場では、若手の保育士が、仕事のコツがつかめぬまま短期間で辞めてしまうことが課題になっている。
関西、関棟を中心に全国で26の保育施設を運営する社会福祉法人「夢工房」(本部・兵庫県芦屋市)の黒石誠理事長(57)は、離職したいという若手職員から、こんな言葉をたびたび聞いてきた。
「保育士はしんどい」「向いてないから、違う仕事に就きたい」
先輩と同じように仕事ができず自分を追い込んでしまっている様子だった。先輩の側も、子どもの食物アレルギーの対応などで以前より余裕がなく、ゆっくり新人を指導する余裕は少なくなっていた。「若手の離職が繰り返されると、将来の主軸が育たない」。危機感を抱き、10%を超える離職率の改善のために試行錯誤を重ねてきた。
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