【レビュー】復活した4インチiPhone『iPhone SE』。こんな安っぽさは、誰も望んでなどいない。
7 コメント『iPhone 5s』ラバーな僕が『iPhone SE』を購入してみたので、レビューしてみます。
『iPhone 5s』ラバー待望の4インチiPhone『iPhone SE』
今回ご紹介する『iPhone SE』は、Appleが新発売した4インチの最新小型iPhoneです。
『iPhone 6』が発売されているにも関わらず『iPhone 5s』を購入した通り、僕は『5s』が大好きなApple信者です。『5s』好きの多くは、そのサイズ感を気に入っているようですが、僕が気に入っている部分はデザイン。『5s』のなんとも言えない高級感が、とてもツボなのです。
『iPhone 6』『iPhone 6s』と続いて、Appleは丸みを帯びたiPhoneをリリースしてきました。『6s』が発表される少し前から、『5s』と同じサイズの「4インチiPhoneが発表される」という噂が流れていたものの、デザインは『5s』の角張ったモノになるのか、『6』の丸みを帯びたモノになるのかは不明でした。
しかし、日本時間3月21日に発表されたAppleの発表会で、『5s』とほとんど同じデザイン・サイズの『iPhone SE』が発表されたのです。
『5s』ラバーな僕は「これはもう買うしかない」と思い、即行で予約をしました。使い始めてから1週間程度経過したので、レビューしてみます。
パッケージ構成は『iPhone 6』をそのまま踏襲、決して“廉価版”ではない
それでは、早速開封してみましょう。
『iPhone SE』のパッケージデザインは、『6』や『6s』のそれを踏襲しています。
『5s』までのデザインはホーム画面を映したiPhone本体が印刷されていましたが、『6』以降は魚や花をデカデカとiPhoneに映したものになっています。
今回購入した『SE』は、シルバーモデル。
パッケージ側面に印刷された“iPhone SE”という文字は、モデルのカラーによって異なるようです。今回はシルバーモデルなので、側面の文字色はシルバーになっています。
また写真では分かりづらいものの、パッケージ上面に印刷されたiPhoneの写真は、若干の凹凸が施されています。ホームボタン部分は、若干へこんでいます。
『6s』同等のパッケージ構成で、これだけのコストを割いていることから、Appleは『SE』を“廉価版iPhone”と位置づけていないことが分かります。
パッケージのフタを開けると、最初に目に映るのは製品本体。このパッケージの仕組みも、Apple製品ならでは…です。
Apple製品において、地味に毎回気にしている部分が、本体を包むフィルムの素材です。2015年04月に発売された『Apple Watch』を皮切りに、13インチの『iPad Pro』などでは、半透明のフィルム素材が採用されていました。
しかし、今回の『SE』で使われていたフィルムの素材は、従来の透明なフィルム。どのような要因で使い分けているのか、いまだに分かりません…。
付属品は、従来のiPhoneとまったく同じです。
5Wの電源アダプタと、Lightningケーブル、そして『iPhone 5』から採用された新しい純正イヤホン『Ear Pods』が付属しています。
カタログスペックを『5s』と比較してみる:パフォーマンスの向上が顕著
『SE』の購入を考えている人のほとんどは『5s』からの乗り換えだと思うので、『SE』と『5s』両者のスペックを比較してみましょう。
項目 | iPhone 5s | iPhone SE |
---|---|---|
ストレージ容量 | 16GB / 32GB / 64GB | 16GB / 64GB |
横幅 | 58.6 mm | |
縦幅 | 123.8 mm | |
厚さ | 7.6mm | |
重量 | 112 g | 113 g |
ディスプレイ | 4インチ Retina対応 1136x640 ピクセル コントラスト800:1 | |
プロセッサ | Apple A7 | Apple A9 |
コプロセッサ | - | M9 |
メモリ(非公称) | 1GB | 2GB |
前面カメラ | 120万画素 720pビデオ撮影 | |
背面カメラ | 800万画素 1080pビデオ撮影 | 1200万画素 4Kビデオ撮影 |
Live Photos | - | 対応 |
光学式手ぶれ補正 | - | |
Touch ID | 第1世代 | |
LTE | 下り最大 100Mbps | 下り最大 150Mbps |
VoLTE | - | 対応 |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.0 | 4.2 |
Apple Pay(NFC) | - | 対応 |
最大連続通話時間 | 10時間(3G) | 14時間(3G) |
最大連続通信時間 | 8時間(3G) 10時間(LTE / Wi-Fi) | 12時間(3G) 13時間(LTE / Wi-Fi) |
最大連続待受時間 | 10日間 | |
カラーモデル | スペースグレイ / ゴールド/ シルバー | 左記に加えてローズゴールド |
以上から、カタログスペック上の進化ポイントは以下の通りとなります。
- プロセッサ性能の向上
- 背面カメラの性能向上(Live Photosサポート)
- 無線通信のパフォーマンス向上(LTEの速度向上、Bluetooth 4.2搭載、ac通信対応、NFC搭載)
- バッテリー持続時間の向上
- ローズゴールドモデルの追加
特にプロセッサ性能の向上は大きな進化点で、『SE』が搭載する『A9』プロセッサ及び『M9』コプロセッサは、『6s』と同等のものとなります。また、Apple非公称ではあるものの、メモリ(RAM)の容量は『5s』から倍増している模様。『SE』のパフォーマンスには、かなり期待できそうです。
iPhoneで写真撮影やゲームをプレイしない僕にとっては、正直パフォーマンスとカメラ画質向上はあまり興味がありません。ただ、バッテリー持続時間も向上されているので、僕のようなライトユーザにとっても嬉しい進化ポイントは存在します。
外観を『5』と比較してみる:『SE』は、あまりにも安っぽい…
『SE』のデザインは、『5s』のモノをそのまま採用したと勘違いしている人も多いかもしれませんが、実は若干異なります。このことは、Appleの公式サイトでも明記されています。
iPhone SEには、とても人気の高いデザインを採用し、それをさらに磨き上げました。
iPhone SE - Apple より抜粋
僕が所持している『5s』はゴールドモデルで、今回購入した『SE』はシルバーモデルです。「どうせならシルバーモデル同士の比較がしたいなあ」と思ったので、ちょうど所持していた『5』のシルバーモデルと比較することにしました。
『SE』を一目見て分かる『5s』との差異は、エッジの面取り処理で光沢加工されていないというところ。
『5』や『5s』、そして2012年以降に販売されたすべてのiPadは、ダイアモンドカットによるピカピカした金属光沢が特徴的なエッジを採用しています。
今回の『SE』では面取りこそされているものの、マットでまったく光らない仕様に…。これのせいか、プラスチック素材でできているのではないかと思うほど、安っぽく見えます。
そして、面取りしたマットなエッジと、ボディの色に合わせたステンレススチールのロゴが、iPhone SEのデザインを完成させます。
iPhone SE - Apple より抜粋
背面では、特に大きな変更点は見られません。
背面の変更点について強いて言うのであれば、Appleのロゴ部分と“iPhone”という製品名の刻印の仕方でしょうか。
『5』及び『5s』のロゴ部分は、本体の上から貼り付けているのに対し、『SE』では内側からはめ込む形になっています。
『5』や『5s』で刻印された製品名は“iPhone”であったのに対し、『SE』では“iPhone SE”に変更されました。実は、この変更は『6s』から行われており、『6s』で刻印されている製品名には“s”という記述がなされています。
また、『5』及び『5s』の製品名はロゴと同様に本体の上から貼り付けられているのに対し、『SE』では印字加工されています。
カタログスペックを比較したとおり、薄さに関しては変更点なし。ボタンの位置もまったく同じであるため、『5』や『5s』のケースをそのまま流用できそうです。
カメラ部分も、特に変更点はなさそうです。
『5s』で採用されたデュアルフラッシュLEDも、そのまま『SE』で採用されています。
やはり一番気になる点は、エッジのマット加工です。写真だとあまり分からないかもしれませんが、まったく高級感を感じられない外観になってしまいました。
よく言えば“落ち着きのあるデザイン”ではありますが、それを狙っているのであれば最近発売された『iPad Pro 9.7インチモデル』のエッジの加工方法も統一してもらいたいものです。
『SE』を持ったときに感じた第一印象は、アルミとは思えない、とても安っぽくてオモチャのような触感でした。エッジの加工方法だけではなく、触れたときの温度が金属独特の冷たさではない、プラスチックのような生暖かさがあります。側面を爪で軽く叩いてみても、まるでプラスチックを叩いたかのような軽い音。
ぱっと見は『5s』のデザインを採用しているように見えますが、高級感は雲泥の差です。僕は、こんな安っぽい4インチのiPhoneを求めているわけではないのです。
総評:外観さえ妥協すれば、史上最強の小型スマートフォン
それでは総評にいきましょう。
『SE』の良い点は、以下の通りです。
- 片手で画面全領域をカバーできる、4インチという絶妙なサイズ
- 最新の通常サイズiPhoneと同じ性能を備えたパフォーマンス
- 4K動画を撮影できるほどの、高性能なカメラを搭載
- 『5』や『5s』のケースをそのまま使える
- 低価格
『SE』の魅力は、なんと言ってもそのサイズでしょう。『6s Plus』のような大画面スマートフォン、いわゆる“ファブレット”と呼ばれる端末もそれなりの需要があるようですが、やはりこのサイズを待ち望んでいた人も多いはず。
『SE』は『6s』の性能をギュッと詰め込んでいるため、そのサイズからは想像できないほどのパフォーマンスを発揮してくれます。事実、ゲームをプレイしない僕でも、『SE』でホーム画面を操作しただけでヌルヌルサクサク感を体感できました。ゲームプレイや動画再生を頻繁に行う人ならば、この恩恵は顕著に受けられるはず。
記事本文には記述していないものの、『SE』の価格設定が良心的な部分も良い点の1つ。「そこまでの性能を必要としていないけど、iPhoneがほしい」という人には、もってこいの端末だと思います。
対して『SE』の不満点は、以下の通りです。
- 『6s』が対応している一部の機能が、『SE』では対応していない
- 安っぽい
『6s』のパフォーマンスを『SE』でも体感できるものの、『3D Touch』や第2世代『Touch ID』など、一部の機能については『SE』で利用できません。差別化のために施しているため仕方がない部分ではありますが、ライトユーザであればまったく問題ないでしょう。
最大の不満点は、『5』や『5s』に存在した“高級感”が失われたことです。外観だけでなく、手で触れたときの触感、金属の冷たさを感じることができません。なぜ『5s』のデザインをそのまま採用せず、それをベースとして改変したのか、今回ばかりは憤りを感じます。
僕のように、外観に異常なこだわりを持っていなければ、『SE』はとても優れた製品だと思います。事実、このサイズでこれだけの性能を持ったスマートフォンは他にありません。
『SE』の安さを最大に活かせるのは、格安SIMと呼ばれるMVNOと契約して使うことでしょうか。MVNOのサービスの性質上、端末代金は一括払いが基本となるため、本体価格が安い『SE』はベストな端末なはず。
特に「メインのスマートフォンはAndroidだけど、データ通信用としてiPhoneを使ってみたい!」という人は、これ以上ない選択肢でしょう。
僕は…というと、外観こそ不満を持っているものの、操作性や性能には十分満足しています。性能に関しては、十分すぎるくらい。
『5s』では動作が遅くなることを恐れており、iOSのアップデートを控えていました。そのため『Apple Watch』のwatchOSも古いままで、iOSアプリも最新バージョンに上げられませんでした。その縛りから解放されたので、おおむね満足しています。
せめて…せめて、エッジを光沢加工にしてくれれば…!!
『iPhone SE』は、Appleの公式サイトで取り扱っており 52,800円(税別)から販売されています。
格安でiPhoneに触れてみたい人、4インチのiPhoneに戻りたい人にオススメの端末です。
>『iPhone SE』のパッケージデザインは、『6』や『6s』のそれを踏襲しています。
『5s』までのデザインはホーム画面を映したiPhone本体が印刷されていましたが、『6』以降は魚や花をデカデカとiPhoneに映したものになっています。
iPhone『6』は真っ白のエンボス加工がされているだけですね。魚や花は印刷されておりません。
参考までに http://gigazine.net/news/20140919-iphone-6-plus-review/
実機見てきましたけど6sよりは高級感あると感じたので個人的にはGoodですね
iPhone SE 買ってしまいました!
エッジが光沢加工でないのは残念ですね。。。
そして、どうせなら 3D Touch もつけて欲しかったです。。。
どうでも良いですが、「液晶保護フィルムはココじゃなきゃ嫌だ!」と決めたメーカーはどこですか?
6のパッケージは途中で変わった気がします
SEの写真を見た感じエッジがマット加工されててもそこまでイメージ変らないと思ってましたが、偽りを感じるくらい安っぽくなるんですな...
外見重視な自分はSEの購入は延期になりそう。
最近Appleさんのネタ切れ感が拭えないなぁ...
iPhone SE....見た感じではすごい良さそうなんですけど....やっぱり使ってみないと分からないものですね
僕個人としては次はスペックは今のままでiphone4の背面ガラスを使って欲しいです!!
なぜ光沢加工をしなかった…。なぜ光沢加工をしなかった…。なぜ光沢加工をしなかった…。なぜ光沢加工をしなかった…。なぜ光沢加工をしなかった…。
5のシルバーリングは近接撮影時に反射が写り込んでしまうため5sでは無くなったそうですよ。