異例の対応
4月1日夜、一本の「微信」(WeChat)が私のスマホをピンと鳴らした。確認すると、北京のインテリ中国人からで、こう記されていた。
〈 今日は「愚人節」(エイプリル・フール)だった。日頃、中国社会で騙され続けている私は、今日は一体どんな詐欺師が騙しに来るかと、警戒感を強めていた。だが午前中は何もなかった。午後になっても警戒を解かなかったが、やはり何も起こらなかった。こんな奇跡のような日もあるのかと思っていたら、とうとう夜7時になって、『新聞聯播』が始まった……〉
このアネクドート(政治小咄)を読んで、思わず腹を抱えて笑ってしまった。『新聞聯播』とは、中国中央テレビの夜のメインニュースで、いまや共産党政権の「宣伝放送」と化している。そのことに対するイヤミを綴ったのだ。
先週、世界中で大きな話題を呼んだ「パナマ文書」では、習近平主席の義兄をはじめとする何人もの中国人の名前が挙がった。そこで私も、「巴拿馬文件」「巴拿馬泄密」「巴拿馬档案」など、関連する中国語でバイドゥ(百度)に検索をかけてみた。だがいずれも、「相関する法律法規と政策に照らして、一部の検索結果は提示できません」という表示が出るばかりだった。
中国共産党中央機関紙『人民日報』系の国際ニュース紙『環球時報』(4月5日付)が、「パナマ文書を出した背後に大きな力が働いており、このようなものを暴露して一番得をするのはアメリカだ」という評論を出したというニュースが、日本で流れた。ところが、私が『環球時報』のホームページで確認した時には、すでにこの評論は消えていて、中国のネット上からも跡形もなく消えていた。
中国外交部の定例会見でも「パナマ文書」について2日にわたって質問が出たが、報道官は2度とも、「その件についてはコメントしない」と、一言のもとに打ち切った。
このような対応は異例だ。
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