ついにUR強制捜査 甘利前大臣に捜査のメスは届くのか
ようやく東京地検特捜部が重い腰を上げて強制捜査に乗り出した甘利明前経済再生担当相の“口利きワイロ疑惑”。果たして捜査のメスは甘利本人にまで届くのか。
特捜部は8日、甘利側が補償交渉の仲介をしたとされるUR(都市再生機構)の千葉業務部と千葉県の建設会社「薩摩興業」などをあっせん利得処罰法違反容疑で家宅捜索した。また同社の元総務担当者、一色武氏(62)から計800万円以上の現金を受け取った甘利の元公設秘書からも任意で事情を聴いたもようだ。強制捜査はけさまで続き、特捜部は押収した資料などを分析し、問題の補償交渉に甘利の元秘書らがどのような影響を与えたのか解明を進める方針だ。
この問題で、URの説明によると、元秘書は薩摩興業との補償交渉に絡み、職員とたびたび面会していた。この際、元秘書は「甘利事務所の顔を立ててもらえないか」「協議の場をセットしてほしい」などと伝えたとされる。その結果、URから薩摩興業側に支払われた補償金は当初の2000万円から約2億2000万円に跳ね上がった。当然のことながら、元秘書が一色氏から受け取った現金は補償交渉の見返りではないかとの疑惑がもたれている。