ベトナムの中部に位置する都市ダナンは、100万人を超える人口を有し、ハノイ、ホーチミンに次ぐ大都市です。ベトナムの主要港湾都市であり、最近顕著な都市化が進み治安も良い街である一方で、白い砂浜のビーチや避暑地にもなっている山々を持つなど自然も豊かで、世界遺産ホイアンへのアクセスも便利。
そんなダナンは、東南アジアでも近年注目される観光都市となっています。ベトナム国民にとっての聖地となっている五行山、仏教徒が多いベトナムにおいても屈指のキリスト教会であるダナン大聖堂、近代的ながらもベトナムの文化が感じられるロン橋。ダナン観光の際に訪れておきたい場所は多々ありますが、今回はその3ヶ所について、特にご紹介していきます。
ベトナムの聖地、五行山を登る
ダナンの中心部から7キロほどのところにある五行山は、その名の通り5つの山が連なっていて、全ての山の全体が大理石でできているため「マーブルマウンテン」とも呼ばれています。5つの山は陰陽五行説にもとづき、それぞれ火山、水山、木山、金山、土山という、宇宙を構成する5要素から名前がつけられています。ベトナムにおける、いわば聖地とも呼べるスポットです。
観光のメインとなるのは水山で、標高は100メートルほどですが、頂上の展望台からは他の山々も含めたダナンの街並みを一望できる絶好の場所となっています。もちろん登山の途中地点にも寺や洞窟など見どころがたくさん。高い山ではありませんが、それなりの準備をして登ることをおすすめします。
ピンク色の鶏教会、ダナン大聖堂
ベトナムの宗教分布は仏教徒が8割を占めますが、ダナンを含め大きな都市ではキリスト教会もけっこう目にすることができます。中でもダナン大聖堂はダナンにおいて最大規模を誇る教会で、尖塔の高さは約70メートル、1923年創建のネオゴシック様式の建物です。毎日多くの観光客や敬虔なキリスト教徒が訪れます。
ダナン大聖堂を訪れて最初に目を引くのは、なんといってもその淡いピンク色の外壁。そのためか厳かな雰囲気の中になんとなくかわいらしさも感じられます。尖塔の頂上には鶏の像が飾られていて、地元の人々には「鶏教会」と呼ばれて親しまれています。内部のステンドグラスや薔薇窓は一見の価値がある美しさなので、ぜひ内部の見学もおすすめします。
長大なドラゴンがうねる、ロン橋
ダナン大聖堂から少し離れたハン川にかかるロン橋は、全長666メートル、幅は37.5メートル、2013年に完成という比較的新しい橋です。ロン橋の「ロン」は「龍」のことでドラゴン・ブリッジとも呼ばれ、炎を吐くドラゴンが橋全体にその身をくねらせているという特徴的なデザインであることで有名です。
このロン橋の最大の魅力は、夜にライトアップされた姿です。オレンジや青、緑などさまざまな色で飾られ、週末にはドラゴンが火や水を吐く様子も映し出されます。2014年には国際的な照明デザインアワードで最優秀賞を獲得したほどの見ごたえで、橋のまわりは毎週観光客や地元の人々でいっぱい。昼と夜、両方の時間で見てみてはいかがでしょうか。
近代化の著しいダナンで歴史を感じる観光を
16世紀までは小さな漁村だったダナンは、18世紀にはベトナム中部最大の港湾都市となり、20世紀に入ってからは大規模なインフラ整備のもとさらに発展を続けてきました。近年は港湾や工場も整備され、ダナン国際空港に新ターミナルも造られるなど空からのアクセスも便利になりました。
このように近代化が著しいダナンでは、観光地の景観も一種独特なものになります。たとえば今回ご紹介したダナン大聖堂は、すぐ後ろに巨大な高層ビルが見えるロケーションであったり、ロン橋のドラゴンのデザインは元々李朝時代のものであったりと、近代と歴史が融合する光景を作り出しています。ダナンを訪れた際には、ぜひこのような観点でも観光を楽しんでみてください。
