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中国、狙いは欧州経済だけじゃない…ギリシャ・ピレウス港「獲得」、ちらつく海軍拠点化の野望
【ベルリン=宮下日出男、北京=矢板明夫】ギリシャは8日、同国最大の港であるピレウス港の売却契約について、中国海運最大手の中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)と正式に調印した。ピレウス港は地中海の海運の要衝で、アジア・中東地域から欧州への玄関口にあたり、今後、中国の欧州進出に拍車がかかる可能性がある。
コスコ・グループは中国政府の管理下にある国有企業で、今回の買収は習近平指導部が主導する形で進められた。現地からの報道では、中国側はピレウス港を運営する国営会社の株式の67%を2段階に分け、計3億6850万ユーロ(約450億円)で取得する。
中国側はこのほか港湾整備・開発に3億5千万ユーロを投資する予定。当初は株式51%分の取得にとどめ、これらの投資の実行を受け5年後に残りの株式を買い取る。中国はすでにピレウス港のコンテナ埠頭(ふとう)の運営権を握っていた。
ギリシャは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の支援を受けて財政再建中で、同港などの国有資産の民営化は支援実行の条件。当初は民営化に反対したチプラス政権も現在は推進姿勢に転じている。首相府付近ではこの日、民営化反対のデモも行われた。