■今が投資チャンス、求められる国家的戦略
韓国が最近、日本との資源開発競争で出遅れている理由は何か。
まず、政府による支援が不足している。今年の韓国政府の予算は昨年(3594億ウォン)を70%以上下回る958億ウォンにすぎない。一方、日本は昨年に比べ13%増の6500億ウォンに達する。民間の資源開発事業を支援する政策金融支援の規模も韓国は2兆7000億ウォンで、日本の10分の1にとどまる。現代経済研究院は「政府系企業と民間企業が海外資産の合併・買収(M&A)に参加できるように、金融・税制面での優遇、原材料投資ファンドの活性化といった政策的な支援が求められる」と強調した。
情報力の不足も問題だ。日本が資源開発を本格化させたのは1940年代からだ。70年近い事業でさまざまなノウハウとネットワークを構築した。一方で韓国の資源開発は始まったのは1980年代以降のことで、日本より40年以上遅れた。ガス業界関係者は「現在のような原油安では、ネットワークが不可欠だ。人脈と情報網で後れを取った結果、数少ない売却案件まで日本が独占している」と指摘した。三井物産はオーストラリアのサントスが資金不足に直面しているとの情報を真っ先につかみ、交渉に乗り出した結果、ガス田取得に成功した。
基礎体力にも大きな差がある。日本の資源開発企業は年商が75兆~200兆ウォンで、韓国企業の2~4倍に達する。日本企業は原油価格の下落による損失を相殺する底力がある。米ブルームバーグ通信は、2011~15年に鉱物価格が94%下落したが、三菱の純利益は14%減にとどまったとし、「現在の投資拡大は、今後原油価格が上がれば、大きな利益として跳ね返ってくる」と分析した。
仁川大のソン・ヤンフン教授は「海外資源投資は一度チャンスを逃せば、10年後に後悔する。国家的課題として、大きな青写真を描き、資源開発に乗り出すべきだ」と述べた。ソウル大のキム・ヒジプ客員教授は「資源開発は失敗の確率が高く、どの分野に比べても専門家の養成が不可欠な事業だ。米国など資源先進国の開発専門家を迎え入れるなどして、開発ノウハウを蓄積していく必要がある」と述べた。