一方、会社としてユニークな方法で、社員が休みを取りやすい仕組みを作っているところもあります。
こちらのコンサルティング会社、社員の意見を取り入れて独自の休暇制度を作りました。
「理美容半休」。
美容院などで、リフレッシュしてもらおうというもの。
こちらは、家族や恋人の誕生日など記念日を祝う「LOVE休暇」。
なんと、会社からプレゼント代、1万円が支給されます。
こうしたユニークな休暇をきっかけに、社員の間に休みを取りやすい雰囲気が生まれれば、有給休暇も取りやすくなるという狙いです。
コンサルティング会社 事業管理本部 鈴木綾さん
「ふだんなかなか、理由がないと休めなかったりもするが、この特別休暇であれば、あらかじめ理由を持って、どういったことをするという目的を持って休めるものなので、休暇取得の促進にはなっている。」
会社では、社員が休んでも仕事をカバーしあえる仕組みも整えています。
人事を担当している、福本珠美さんです。
この日、午後から「カルチャー&エンタメ半休」をとります。
この会社では誰が、いつ、何の仕事をするのか、スケジュールを共有しています。
福本さんは、午後に新人社員への研修が予定されていました。
ふだんから互いの予定を把握しているので、引き継ぎはスムーズです。
引き継がれた相手は、仕事が増えることになりますが…。
「仕事が増えたと思う?」
「私が休むときに、頼みやすくなるので、そこは全く感じていない。」
福本珠美さん
「エンタメ半休頂きます。」
会社を出た福本さん。
上野の美術館で、以前から見たかったフランス印象派の展覧会を満喫しました。
福本珠美さん
「すごく新鮮な気持ちになれたし、有意義な時間を過ごせた。」
さらに…。
福本珠美さん
「バリ行った?」
「すごくよかった。」
友だちと趣味の旅行話に花を咲かせました。
福本珠美さん
「せっかく半休をとるということで、前々から何にしようとちゃんと計画を立てていたので、気持ち的にもリフレッシュされるし、満たされる感じもする。」
社員の意見を取り入れたユニークな休暇制度。
有給休暇を組み合わせてとる社員が出るなど、効果もあらわれています。
専門家は、有給休暇の取得率を世界のレベルまで上げるには、働く側の意識改革も大事だと言います。
企業での働き方を研究 東レ経営研究所 渥美由喜さん
「ヨーロッパやアメリカなど、キリスト教文化圏では、働くだけで家庭を顧みない、地域社会で貢献しようとしない人は、利己的な人、自分本位な人とみられる。
休暇で自分自身の生活も充実する、家族も一緒になって楽しむ、あるいは、地域社会で貢献する、そういう人たちが働く会社が評価される時代になっていく。」
近田
「いろんな休暇の種類、LOVE休どうですか?」
上條
「いいですよね。
しかも、1万円給付されるという。
これはいいですね。」
近田
「おじさんにとっては、ネーミングがちょっと恥ずかしいですけど。
冒頭にお伝えしたように、とりずらい理由として、周りへの気兼ねがあるとあったと思うんですけれども、後半の会社のように仕事をカバーし合えれば、とりやすい環境が生まれてくるという。」
上條
「お互い様ですしね。
いいですよね。
専門家の渥美さんは『有給休暇を取りやすくするには国による制度面での後押しも必要だ』と話しています。
欧米などでは、社員が有給休暇を取得できなかった場合、その分を会社が買い取る決まりになっていて、会社は社員に有給休暇の取得を積極的に働きかけているそうです。」