『なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?新装版・入門編』レビュー

2016年4月7日、記者会見でセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)が「退任を決意した」と発表しました。
コンビニ国内店舗数全国No.1のセブン-イレブンを中心とするセブン&アイHDを、日本を代表する流通企業に育て上げた敏腕経営者の突然の発表でした。
しかし同氏がこれまで実践してきた経営手法は、関連書籍を含めて数十冊もの書籍として紹介されていますので、鈴木氏退任後もその『鈴木流経営学』は最高峰の経営手法として語り継がれていくのではないでしょうか。
ここではそんな鈴木流経営学が、セブン-イレブンの経営という側面に沿って書かれた
なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?新装版・入門編
著者:勝見明
発売日:2014年11月
出版社:プレジデント社

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についてのレビューを紹介します。
同書は、鈴木敏文氏インタビューに始まり同氏がその経営手腕で世界最大規模のコンビニエンスストアチェーンを作り上げた鈴木流経営学を実例や例え話を使いながらわかりやすく解説しています。
なお、コピーが『セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れる』と書かれていますが、これは『セブン-イレブンでアルバイトをすると3カ月で誰でもその経営学を語れるようになる』ということではなく、『仮にアルバイトだったとしてもセブン-イレブンが実践する鈴木流の仕事術を前のめりで学ぶ姿勢でアルバイトに勤しめば、間近で学ぶことができる分、3カ月という短期間でもある程度はアウトプットできるようになる』という解釈が適切かと思います。
『なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?新装版・入門編』レビュー
◆1日5300万人の顧客データから見えた3つの『売れる秘密』

〇理屈より顧客心理
〇基本の徹底
〇苦境の時こそ差別化のチャンス
の具体的な例えを用いながら本書の概要を伝える鈴木敏文氏インタビュー。
◆ピンチをチャンスに変える『逆転の発想術』

〇競合他社が現れるからこそ顧客に対して自分たちの良さをアピールできる
〇周りから反対される実現が困難なアイデアこそ成功する可能性を秘めている
〇人手が足りないくらい仕事量が多いからこそ生産性が上がる
といった逆転の発想事例を紹介。
◆市場分析とデータに基づく『マーケットの極意』

〇日本の市場は長いスパンで見れば多様化しているように見えるが、その瞬間ごとには画一的
〇市場は急上昇と急降下の繰り返しだからこそスピード感ある商品サイクルで対応しなければならない
〇マクロを見てミクロに落とし込むデータ主義
といったセブン-イレブンが実践してきたマーケティング術。
◆顧客の心理を理解して販売する『ビジネス心理学』

〇顧客は理屈よりも感情で行動する
〇マグロの解体販売に学ぶ購買行動を起こす2つの心理
〇ドミナント戦略が生む消費の爆発
など、購買意欲を喚起しブレークさせるビジネス心理学。
◆データの受け止め方と情報の伝達のコミュニケーションについての『情報術』

〇情報に価値を付ける販売データの読み方
〇悪い情報を確実に上げる下からの『バッドニュースイズファースト』と上からの『Why』
〇マニュアルの徹底ではなくフェイストゥフェイスのコミュニケーション
など鈴木流の情報術の解説。
◆仮説と検証を繰り返すための『仮説の立て方』

〇顧客の立場や先行情報に基づく仮説
〇仮説により見えない数字が見えてくる
〇勝算7割なら何が何でも成功させる姿勢で挑戦する
といったセブン-イレブンが実践している仮説と検証についての考え方を紹介。
セブン-イレブンをはじめコンビニエンスストア各社は今や流通の最先端を走っていますので、仮にアルバイトスタッフだったとしても本気で業務に取り組めばその経営学を学べるのではないでしょうか。
せっかくみなさんの貴重な時間を使ってアルバイトをするのであれば、ただの時間の切り売りではもったいないですよね?
経営学が学べるコンビニはもちろんですが、こういった学びのあるアルバイトをしてみてはいかがでしょうか?
そしてそんな学べるアルバイトにチャレンジするのであれば、もちろん全力で頑張ってくださいね!
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