【ニューヨーク=高橋里奈】米ケーブルテレビ最大手のコムキャストが同2位のタイム・ワーナー・ケーブル(TWC)の買収を断念することが23日明らかになった。複数の米メディアが報じた。昨年2月に提案した450億ドル(約5兆4000億円)の巨額買収計画に、米連邦通信委員会(FCC)が「価格支配力が過度に高まり、公共の利益に反する」との見解を固めたためとみられる。
合併が実現すれば有料テレビ市場の3割近くを占める巨大企業が誕生するはずだった。消費者団体の反対運動などもあり、FCCは寡占企業の誕生が消費者の利益に見合わないと判断したとみられる。22日にFCCと米司法省の職員がコムキャスト幹部に合併反対の意向を伝えたもようだ。
米国の有料テレビ市場はインターネットによる動画配信のネットフリックスなどに押され気味で、合併により競争力を維持しようとする動きが活発だ。4位のチャーター・コミュニケーションズも3月末、6位のブライトハウス・ネットワークスを104億ドルで買収すると発表している。