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[24日 ロイター] - 米ケーブルテレビ最大手コムキャストは24日、タイム・ワーナー・ケーブル(TWC)に対し提示していた総額450億ドルの買収案を撤回すると発表した。買収計画がインターネットサービスの面でコムキャストに不当な利益をもたらしかねないとして、米当局が難色を示したため。
コムキャストは、当局からの承認を取り付けられなければ、買収計画を白紙に戻すことができる取り決めになっていたと説明した。
米司法省は、二大ケーブル会社が合併すれば、ブロードバンドサービスをコムキャストが支配する状況は避けられなくなると判断。ホルダー司法長官は声明で「買収を断念する両社の判断は、米消費者にとって最善の結果だ」と評価した。
米連邦通信委員会(FCC)のトム・ウィーラー委員長は、両社の合併が「競争や技術革新の面で許容を超えるリスクを生むことになる」と指摘した。
こうしたなか市場では、米ケーブルテレビ大手のチャーター・コミュニケーションズが、タイム・ワーナー買収に名乗りを上げる可能性が生まれたとの見方が出ている。
チャーターは、コムキャストのタイム・ワーナー買収計画に関わり、両社が経営統合した際は一部顧客を受け入れることで合意していた。
ニーダムのアナリストらはメモで「チャーターが今後3カ月以内にタイム・ワーナー買収案を提示すると考えている。提示額は市場予想を下回る見通しだ」と分析した。
衛星テレビや動画配信サービス大手、ネットフリックスなどが人気を集める中、米ケーブル業界は再編の動きを加速させている。
24日午前の米国株式市場で、タイム・ワーナーの株価は2%強上昇、コムキャストは0.1%高、チャーターは0.4%安で推移した。