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(3月16日)
【スポーツ】[水泳]萩野、男子200メートル個人メドレーでも五輪代表入り 日本新&世界歴代3位記録2016年4月10日 紙面から
◇日本選手権▽リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねる▽9日(第6日)▽東京辰巳国際水泳場▽決勝 男女4種目 男子200メートル個人メドレーは萩野公介(21)=東洋大=が、日本新記録の1分55秒07で4種目での五輪代表を確定させた。前日に現役引退を表明した北島康介さん(33)から、エースの称号を受け継ぐ覚悟を示した。同種目2位の藤森太将(24)=ミキハウス=は初の五輪代表。女子200メートル平泳ぎ優勝の金藤理絵(27)=Jaked=は、2分19秒65の日本新で2大会ぶりの代表入り。日本女子で初めて2分19秒台に突入して一躍、金メダル候補に躍り出た。男子200メートル背泳ぎは大会最多10連覇を果たした入江陵介(26)=イトマン東進、2位の金子雅紀(24)=YURAS=が代表を決めた。 4種目で日本記録を持つ萩野が2年ぶりに自己記録を更新した。1泳法目のバタフライから世界記録保持者ライアン・ロクテ(米国)のラップタイムを0秒46上回るロケットスタートを見せる。3泳法目の平泳ぎから失速して世界記録には届かなかったが、世界歴代3位のタイム。昨年の世界選手権で金メダルを獲得したロクテのタイムを0秒74も上回り、五輪イヤーのライバルに強烈なプレッシャーを与えた。 「今大会初の自己ベストが出たので素直に喜びたい。(引退表明の)北島さんが代表にいない影響は計り知れないが、やってこられたことは自分たちが背負う。リオでは『ここまで強くなりました』というのを見せたいです」 前日は大会会場で北島の現役最後のレースを見届けた。五輪代表を逃す結果に、萩野も「泣きそうになった」と言う。出会いは北島が初めて五輪で金メダルを獲得した2004年11月。東京SC招待という大会で8種目に優勝して優秀選手に選ばれ、プレゼンターを務めた北島から表彰状を受け取った。母の貴子さん(52)は「公介も北島さんの存在と名前はもちろん存じていましたが、雲の上の人。やっぱり喜んでいました」と振り返る。記念の2ショット写真は、両親の自宅で大事に保管されている。 両者を指導する東洋大の平井伯昌監督(52)は先月中旬までのグラナダ合宿で、その2人をあえて同部屋にした。24時間接することで帝王学を学ばせる狙いがあった。萩野は「北島さんから学んだのは人間性。お客さん全員が応援していて、全員が尊敬して大好き。全員から応援されることが王者になるには一番必要なもの」。その覚悟はもう決まった。 「平井先生は“北島ロス”とおっしゃっていましたが、そのロスは僕ら競泳界のみんなで補っていきたい」。北島が去っても日本には次代を担う萩野がいる。 (千葉亨) PR情報
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