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【ゴルフ】

松山英樹3差5位、V圏来た!

2016年4月10日 紙面から

第2ラウンド、8番でティーショットを放つ松山英樹=オーガスタ・ナショナルGCで(共同)

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◇マスターズ<第2日>

 ▽男子メジャー第1戦▽8日、米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC(7435ヤード、パー72)▽晴れ時々曇り、気温21度、強風▽89選手(うちアマチュア6人)

 【オーガスタ(米ジョージア州)松岡祐司】日本から唯一出場している松山英樹(24)=レクサス=が優勝戦線に浮上した。強風のためほとんどの選手が伸び悩む中、5バーディー、5ボギーの72と我慢し、通算1アンダー。首位と3打差の5位タイで決勝ラウンドへ進んだ。連覇を目指すジョーダン・スピース(米国)は74とスコアを落としながら、通算4アンダーで単独トップをキープ。2位にメジャー4大会制覇を狙うロリー・マキロイ(英国)が続いた。今回が最後のマスターズとなるトム・ワトソン(米国)は通算8オーバーの63位で予選落ちした。

 “予想外”の一打が、怪物を目覚めさせた。アーメンコーナーの12番パー3、ピン右から6メートルのバーディーパット。慎重に押し出した球の行方を見届けると、松山はがっくりと膝を折った。「外れたと思った」。ところが、球はカップの縁を反時計回りにぐるっと回り、ストンと視界から消えた。ため息は歓声に裏返り、パトロン(観衆)から拍手が沸き起こった。

 直前の11番で1・5メートルのパーパットがカップに蹴られていただけに、「また(カップを)回って、終わるんだなあと思っていたけど、ラッキーでしたね」。続く13番パー5は、あっけなく2オン2パット。14番パー4では、残り136ヤードの2打目をピンそば3メートルに寄せた。鮮烈な3連続バーディーだった。

 オーガスタの森に強風が吹き、グリーンは硬く、速いままだった。全89選手中、アンダーパーで回ったのは4人だけという高難度だ。初日の再現VTRのように松山のショットは乱れ、序盤6ホールでまさかの3ボギーをたたいた。それでも、優勝への夢はしぼまない。我慢に幸運をつなげ、一気の反転攻勢を仕掛けた。

 「(内容は)微妙。でも、みんなもスコアが出ていないので、いいんじゃないですか」

 予選2日間のパット数55(3位)は、「ガラスのグリーン」を完全攻略している証し。3パットは一度もない。その上、フェアウエーキープ率が前日の62位から30位、パーオン率も63位から49位へと上昇。復調傾向にあるショットが、松山の背中を押している。

 メジャー出場8戦連続予選通過で日本人最長記録を更新。日本人選手が首位と3打差以内で決勝ラウンドへ進むのは、2001年大会で4位に入った伊沢利光以来となる。

 日本男子初のメジャー制覇へ、「大きな舞台で(優勝争いが)できることは本当にうれしい。だからといって、特別なことをする必要はない」と松山。歴史を懸けた戦いは、すでに始まっている。

 

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