【巨人】先発・田口好投!首位奪回リレーで耐えた延長12回ドロー

2016年4月10日6時0分  スポーツ報知
  • 巨人先発の田口は7回を2安打無失点、好投を見せた
  • 中日と引き分け、ハイタッチでナインを迎える高橋監督(左から2人目)

 ◆中日0―0巨人=延長12回規定により引き分け=(9日・ナゴヤドーム)

 巨人は中日と延長12回、0―0でドローに終わったが、阪神に並び首位に返り咲いた。先発の田口は7回を2安打と好投し、その後はマシソン、山口、沢村、田原誠で無失点リレーを完結させた。打線は今季初先発の中日・吉見の前に7回まで散発5安打。4番・ギャレットが8回1死満塁、一昨年8月以来の登板となった岩瀬の前に二ゴロ併殺に倒れるなど、好機に一本が出なかった。

 白星はつかなかった。それでも、息詰まる投手戦の主役は、間違いなく田口だった。延長12回、4時間4分の死闘で0―0の引き分け。由伸監督は「何とか最後まで粘ってゼロで抑えてくれて、負けなくて良かった」と5投手による完封リレーを評価しつつ、7回2安打無失点と好投した20歳左腕について「そうですね。本当に。前回もそれなりに良かったとは思いますけど」と賛辞を贈った。

 田口は序盤、直球が130キロ台前半と球威がなかった。力んで腕が振れていないと自己分析し、修正。3回から6回まで完全投球し、6回にこの日最速142キロを計測するなど躍動感を取り戻した。「立ち上がりは手探りでしたが、中盤からバランスも良くなり思い通りに投げられた」。7回2死二塁では藤井を低めのチェンジアップで三振。打線の援護がない中、奮起した。

 3勝を挙げた昨年は、12試合に先発して6回以上が4試合だけ。疲れが出始めると、本来の球を投げようと余計に力み、制球を乱した。今年は阿部から「マウンドで考えて投げられるようになれ」と助言され、変わった。オープン戦中には、あえて疲れが抜けていない状況での投球も試そうと、先発登板から中3日でブルペンで100球近く投げ込んだこともあった。試行錯誤で、この日のような試合中の修正能力を身に付けた。

 体調管理も万全だ。「安心して長い回を任せてもらえるようになりたい」と昨年まで何となくお湯につかっていた寮での入浴も意識改革。温浴と水風呂を繰り返すことで血行を良くし、疲労回復に努める。開幕から3試合連続6回以上投げて防御率1・89。ローテ投手として堂々の数字だ。

 田口の力投に、沢村も燃えた。10回から登板して2回無失点。2イニング連続で得点圏に走者を背負うも、後続をねじ伏せた。「田口がいい投球をしてくれた。負けるわけにいかなかった」と役割を全うした。

 3日の広島戦(マツダ)。沢村は今季初めて2回を投げた。試合後の取材で由伸監督は「(沢村に)感謝します」とコメント。守護神は胸を熱くし「監督が選手に対して『感謝している』と言ってくれることはなかなかない。『沢村でいこう』と言っていただけるのはうれしい。それに応えられるようにしたい」。イニングまたぎも、当然のようにこなした。

 打線が無得点に終わり、由伸監督は「勝つチャンスも何度かあったと思う。そこを勝ちきれなかったのは課題」と振り返った。それでも、阪神と並び1日で首位返り咲き。成長を見せた田口を中心にチーム一丸となり、価値あるドローをつかんだ。(片岡 優帆)

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