News up “名前を知られない”対策 名札で工夫も

News up “名前を知られない”対策 名札で工夫も
新年度が始まり、新入生が学校の仲間入りをする季節を迎えました。かつては、ピカピカのランドセルに真新しい名札をつける子どもたちの姿を全国どこでも目にすることができました。
しかし、今では名札をつける子どもが減ってきています。その背景には、名前を知られることで子どもたちが予期せぬトラブルに巻き込まれるのを防ごうという、保護者などの意識の高まりがあるようです。
さいたま市浦和区の常盤小学校で8日に行われた入学式と始業式。式を終えた子どもたちは、名札を外して専用の名札入れにしまい、防犯用の笛を持って帰りました。この学校では、名札は校内だけで使うことになっています。
こうした学校が増えてきていることに、インターネット上では、「名札を回収とか小学生の時はなかった」「時代は変わったな」といった投稿が見られました。

名札を回収する学校

さいたま市浦和区の常盤小学校で8日に行われた入学式と始業式。式を終えた子どもたちは、名札を外して専用の名札入れにしまい、防犯用の笛を持って帰りました。この学校では、名札は校内だけで使うことになっています。
こうした学校が増えてきていることに、インターネット上では、「名札を回収とか小学生の時はなかった」「時代は変わったな」といった投稿が見られました。

背景には防犯意識の高まり

背景には、名前を知られることで子どもたちが予期せぬトラブルに巻き込まれるのを防ごうと、学校関係者や保護者が考えるようになってきていることが挙げられます。
取材した小学校の校長は「犯罪に巻き込まれることの防止策になると思う」と話していました。また、保護者も「安全のためにはいいのかな」「いろいろな事件があるので、親としては安心」などと話していました。
埼玉県朝霞市で中学1年生だった女子生徒が連れ去られ、2年ぶりに保護された事件では、逮捕された男が「玄関前の傘を見て名前を知った」と供述するなど、実際に名前を知られ犯罪に巻き込まれるといったことも出ています。
インターネット上では、「傘に書いてる名前でフルネーム把握したって怖い」「今の時代、私物に名前も書けない」という反応がありました。

名札自体に工夫も

ちょっとした工夫がなされている名札を使って、子どもたちの名前を知られないようにする学校も増えてきます。
埼玉県蓮田市の蓮田北小学校では、子どもたちが、安全ピンを外さずに簡単に裏返すことができる名札を使っています。子どもたちは、校内にいるときは名前を見せ、登校したり下校したりするときにはひっくり返して名前を隠します。保護者から防犯対策を求める声が上がり、この名札を使うことにしたということです。

体操着やランドセルにも

登下校の際に名前を知られないようにする対策は、名札だけではありません。
名前が書かれた体操着を着て登校することを禁止する学校があるほか、ランドセルは、かつては外側に名札入れがあったものが多くありましたが、今では内側に名前を書くものが主流だということです。
こうした名前を隠す傾向に、インターネット上では肯定的な意見があった一方、「神経質過ぎると感じたけど、やむを得ない時代に完全になり下がった」「うまく言えないが、やな世の中」といった声もありました。
かつては、名札をつけた子どもたちが歩いていた通学路は、名前を知られないほうが安全と考える時代になり、すっかり様変わりしてしまったようです。

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