さだまさしの母が死去…「無縁坂」「秋桜」など代表曲に思い

2016年4月10日6時0分  スポーツ報知

 シンガー・ソングライター、さだまさし(64)の母・佐田喜代子さんが、7日に多臓器不全のため亡くなっていたことが9日、分かった。享年90。葬儀・告別式は9日に故郷・長崎市の法倫會館で近親者のみで営んだ。喪主は長男のさだが務めた。09年12月には父・佐田雅人さんを多臓器不全で90歳で亡くしている。

 さだは近年、コンサートで多忙でも喜代子さんの顔を見るため頻繁に長崎に帰っていた。7日は仕事のため最期はみとれなかったという。

 長年の活動の中では母への愛情を感じさせる作品を数多く送り出していた。「無縁坂」(75年)は「母がまだ若い頃 僕の手をひいて この坂を登る度 いつもため息をついた」と歌った。山口百恵さんに提供した代表曲「秋桜」(77年)は娘が嫁ぐ母親の気持ちをつづった歌詞だが、喜代子さんを思う強い気持ちがあるからこそできた作品でもある。

 05年に出版した小説「眉山」も、その2作品の歌詞をちりばめながら、全身がんで死に直面する母と、故郷で母を介護する娘の物語を描いていた。常に喜代子さんを思い、小説出版の際には本紙のインタビューで「僕にとっての『母』のイメージは、ずっと一緒なのかもしれないね」と語っていた。

 喜代子さん自身も、85年に自伝的子育て記「永き旋律 さだ家の母と子供たち」を出版。さだの中学卒業までをつづり、08年にはデビューまでを加筆したものも出版した。詩作と音楽を趣味とし、女声合唱団「MSコーラス」を主宰し、息子の作品を歌い続けていた。

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