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「記憶の糸途切れないように」靖国偕行文庫
ただ、昭和19年後半から戦争が激しくなるにつれ、資料は少なくなっていく。抑留死亡者に関する資料も少ないが、文庫には抑留死亡者、復員者の名簿のほか、各収容所の体験記、機関誌「朔北」などがある。所属部隊や地区、収容所から、武装解除後の経緯や抑留生活の一端を知ることができる。
核家族化で祖父母らの経験を伝えるのが難しくなる中、「かつて生きていた人と今生きている人を結ぶ図書館として、記憶の糸が途切れないようにしたい」と葛原氏。語ることができない英霊のため、肉親をたどる遺族に寄り添っている。