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抑留死亡者名簿、新たに4964人公表 旧満州は初めて
厚生労働省は8日、第二次大戦後に旧ソ連に抑留され、シベリアと樺太、旧満州の各地域で亡くなった日本人4964人分の名簿を新たに同省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)で公表した。厚労省によると、旧満州分の公表は初めてで、シベリアへの移送前に死亡したとみられる。今後、自治体などを通じて個人が特定され、遺族が判明したものは記載内容を通知する方針。
公表されたのは、昨年4月時点でロシア側から提供された資料のうち、翻訳作業を終えていなかった▽シベリア地域(4584人)▽樺太地域(112人)▽旧満州地域(5人)-の4701人と、今年1月にロシア国立軍事古文書館から入手した樺太・真岡(現在のホルムスク)の263人の名簿(一部は重複)。
日本政府は平成3年以降、ロシア側から順次、抑留死亡者名簿などの資料を入手。翻訳したうえで旧日本軍の資料と照合し、氏名や死亡時期などを公表してきた。これまでシベリア・モンゴルでの抑留死亡者の公表を優先してきたが、昨年4月に北朝鮮や中国東北部、樺太などシベリア以外の抑留死亡者を含む1万723人分の名簿を初めて公表していた。同省は今後もロシア側へ新たな資料要請を続ける。