格差は確実に拡大する
人工知能(AI)の周辺が騒がしい。ロボットが人間のように考え、「心」までも持つ時代がまもなく到来するとあって、新規参入する企業が続出するほどの盛り上がりを見せている。
AIはこれからの時代を牽引する新産業の代表格のように扱われているが、AIによってもたらされるのは輝かしい未来ばかりではない。実は、すでに世界全体を覆っている「格差社会化」を拡大させるリスクをはらんでいることをご存じだろうか。
AIの進歩は日々、目覚ましい。最近では囲碁の人工知能が世界のトップ棋士であるイ・セドル九段を圧倒した。
AIについては、自動運転技術も急速に技術発展を遂げている。現段階でも高速道路なら自動運転は可能。気になる交通事故のリスクについても、海外の自動運転の実験では人間による運転より事故率が低い結果が出た。
かつて飛行機で、自動操縦と人の操縦のどちらが信頼できるのかという議論があったが、現在ではほぼすべてが自動操縦で済むようになっている。いずれ、自動車も同じようになっていくだろう。
こうしたAIの発展にともなって、海外ではシェアード・エコノミー(共有型経済)という考え方も広がっている。一例をあげれば、ネットで配車を申し込むと、現地までドライバーが車で迎えに来てくれて、目的地まで連れて行ってくれるというもの。
日本ではまだタクシーが主流だが、海外では一般人のマイカーを活用した配車サービスを行う「Uber(ウーバー)」や「Lyft(リフト)」という会社が急成長している。