今日の読売新聞に「貴重な音源の保存 国主導で」の見出しで、文化部記者の意見が載っていました。小見出しに「SP盤5万点散逸の恐れ」とあります。ライフワークとして貴重な映画フィルムの復元と保存活動をしている連れ合いのことと関連することでもあり、関心を持って読みましたので紹介します。先ずは冒頭部分の引用から。
…20世紀前半に数多く製造されたSP(スタンダード・プレイング)盤レコードには歴史的に貴重な音源が多いが、材質がもろく、長期保存に適さない。国立国会図書館(関西館)は、SP盤のデジタル保存事業に取り組み、レコード会社等の協力で約5万点を保存した。これは国内で生産されたSP盤の半分程度とみられるが、残りを保存する見通しは立っていない…
記事で、国会図書館が保存した「歴史的音源」をネットでも聴けると知り、早速「れきおん」で検索。「国立国会図書館デジタル化資料」のコンテンツの1つとして、昨年3月15日に「歴史的音源」専用ページが公開されました。ネットで聴けるのは著作権・著作隣接権の保護期間満了が確認できた約1千点。約5万点に及ぶ歴史的音源には、邦楽、民謡、落語、歌舞伎、クラシック、歌劇、歌謡曲、演説など様々なジャンルが含まれていて、国会図書館を始めとする公共図書館など全国134の「歴史的音源配信提供参加館」で聴くことができます。HPの最新ニュースを見ていると、参加館は続々増えています。京都府内でいえば、関西館お膝元の精華町立図書館、京都府立図書館、京都市右京中央図書館。
試みに、大隈重信侯爵の演説、東海林太郎さんの「おぼろ月」(1935年6月発売)を聞いてみました。直立不動で真摯に歌う東海林太郎さんの歌声が懐かしく思われました。それではと、先日このブログで書いた真下飛泉作詞「戦友」を検索してみましたら、国会図書館か「歴史的音源配信提供参加館」で聴くことができると表示されました。今度府立図書館に行った時に試してみようと思います。
この価値ある保存事業は、2007年レコード会社を会員とする日本レコード協会やNHKなどが歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)を設立して民間主導で始まったそうです。保有する古いレコード盤の劣化や保管費用に苦しむ各社が、国の補助金も得て、SP盤や金属原盤などに記録された音源のデジタル化に着手。1枚ずつデジタル録音をし、雑音を除去する地道な作業の成果約5万点が2013年度国会図書館に納入されて、HiRACは3月に解散したそうです。長期に渡る作業は大変だったと思います。そのおかげで貴重な音源を聴くことができます。でも、約10万点あると考えられているSP盤の、残り半分はこの先どうなるのかと心配になります。
記事によれば、関西館電子図書館課の担当者は「散逸したSP盤の収集や権利処理の作業の継続は非常に困難で、これ以上歴史的音源を増やすことは考えていない」と話しているそうです。米国では全米録音資料保存法を2000年に制定、米国議会図書館を中心に、歴史的音源の保存を進めています。連れ合いがいつも訴えていることですが、映画の保存に関しても同様の法律があり、その点でも日本は立ち遅れています。
記事は「歴史的に重要な音源の保存、活用は世界的な潮流と言え、アメリカを始め、民間ではなく公的機関が推進役として機能している。(略)歴史的音源は国民の記憶を後世に残す財産であるという長期的な視点に立ち、国が主導する形で保存する姿勢が望まれる」と結んでいます。記者の意見に全く同感です。国立国会図書館の再奮起を期待したいです。
…20世紀前半に数多く製造されたSP(スタンダード・プレイング)盤レコードには歴史的に貴重な音源が多いが、材質がもろく、長期保存に適さない。国立国会図書館(関西館)は、SP盤のデジタル保存事業に取り組み、レコード会社等の協力で約5万点を保存した。これは国内で生産されたSP盤の半分程度とみられるが、残りを保存する見通しは立っていない…
記事で、国会図書館が保存した「歴史的音源」をネットでも聴けると知り、早速「れきおん」で検索。「国立国会図書館デジタル化資料」のコンテンツの1つとして、昨年3月15日に「歴史的音源」専用ページが公開されました。ネットで聴けるのは著作権・著作隣接権の保護期間満了が確認できた約1千点。約5万点に及ぶ歴史的音源には、邦楽、民謡、落語、歌舞伎、クラシック、歌劇、歌謡曲、演説など様々なジャンルが含まれていて、国会図書館を始めとする公共図書館など全国134の「歴史的音源配信提供参加館」で聴くことができます。HPの最新ニュースを見ていると、参加館は続々増えています。京都府内でいえば、関西館お膝元の精華町立図書館、京都府立図書館、京都市右京中央図書館。
試みに、大隈重信侯爵の演説、東海林太郎さんの「おぼろ月」(1935年6月発売)を聞いてみました。直立不動で真摯に歌う東海林太郎さんの歌声が懐かしく思われました。それではと、先日このブログで書いた真下飛泉作詞「戦友」を検索してみましたら、国会図書館か「歴史的音源配信提供参加館」で聴くことができると表示されました。今度府立図書館に行った時に試してみようと思います。
この価値ある保存事業は、2007年レコード会社を会員とする日本レコード協会やNHKなどが歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)を設立して民間主導で始まったそうです。保有する古いレコード盤の劣化や保管費用に苦しむ各社が、国の補助金も得て、SP盤や金属原盤などに記録された音源のデジタル化に着手。1枚ずつデジタル録音をし、雑音を除去する地道な作業の成果約5万点が2013年度国会図書館に納入されて、HiRACは3月に解散したそうです。長期に渡る作業は大変だったと思います。そのおかげで貴重な音源を聴くことができます。でも、約10万点あると考えられているSP盤の、残り半分はこの先どうなるのかと心配になります。
記事によれば、関西館電子図書館課の担当者は「散逸したSP盤の収集や権利処理の作業の継続は非常に困難で、これ以上歴史的音源を増やすことは考えていない」と話しているそうです。米国では全米録音資料保存法を2000年に制定、米国議会図書館を中心に、歴史的音源の保存を進めています。連れ合いがいつも訴えていることですが、映画の保存に関しても同様の法律があり、その点でも日本は立ち遅れています。
記事は「歴史的に重要な音源の保存、活用は世界的な潮流と言え、アメリカを始め、民間ではなく公的機関が推進役として機能している。(略)歴史的音源は国民の記憶を後世に残す財産であるという長期的な視点に立ち、国が主導する形で保存する姿勢が望まれる」と結んでいます。記者の意見に全く同感です。国立国会図書館の再奮起を期待したいです。