渡辺哲哉
2016年4月10日05時31分
主要7カ国(G7)の外相会合が10、11両日、広島市で開かれる。テロや難民など、世界が直面する政治・外交課題に、G7がどう結束して取り組むかを話し合う。被爆地での開催となるため、G7で一致して核軍縮・不拡散の意思を打ち出すこともめざす。
岸田文雄外相は外相会合に先立ち、9日夜にカナダのディオン外相と会談。岸田氏が「G7が世界の平和と安定に貢献することを確認したい」と述べ、ディオン氏は「首脳会議の準備を今後の2日間で進めていきたい」と応じた。10、11日も各国外相や欧州連合(EU)の外交担当上級代表とも個別に会談する。
今回の外相会合では、過激派組織「イスラム国」(IS)などのテロ対策や難民問題で、一致した取り組みを打ち出せるかが焦点となる。欧米は中東やウクライナなどの地域情勢にも注目。日本政府は、核実験や弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮の問題のほか、中国の海洋進出を念頭に海洋安全保障についても主要議題に取り上げる方針だ。
日本政府は、唯一の戦争被爆国として「世界の指導者の被爆地訪問」を提唱、外相会合の開催地に被爆地・広島を選んだ。このため、外相会合では、核軍縮・不拡散のメッセージを打ち出す方針だ。
11日には、原爆投下国である米国のケリー国務長官や、核保有国の英仏を含むG7外相が広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花する。G7の核保有国の現役外相が同公園を訪れるのは初めて。平和記念資料館(原爆資料館)も見学する予定だ。日本は、各国とともに「核兵器のない世界」を目指す「広島宣言」を発表する考えだ。
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