清談社
2016年4月8日
北条 貧困率もじりじり上がってきたけど、最近は激増と言ってもいいレベルです。この数年でここまで底が抜けた感じがあるっていうのは、なぜか気になりますね。
中村 北条さんの年代より上は、貧乏人とか底辺の人は自覚があった気がします。自分が不幸だとか貧困とか。でも今の若い子たちはそういう自覚がないんですよね。
北条 少し前までは「ロスジェネ論壇」も盛り上がりましたよね。非正規雇用層は搾取されているっていうのを赤木智弘さんとかがちゃんと発言して、発信するという風潮がありましたが…。
中村 若い子たちが奨学金なり国の施策に騙されて、挙げ句に社会人になったらブラック労働で搾取されて、貧困になっています。それなのに経営者とか既得権層に美辞麗句で操られて、自分が中流以上とか幸せだと思っているのが現実でしょう。
北条 経営者側の思惑と、若者が自己実現的に社会貢献したいっていう世代的なものがうまく合致したんだと思います。1995年の日経連提言「新時代の『日本的経営』」くらいからおかしくなったと言われています。そこでは幹部候補と、それ以外と、さらにその下って労働者が3種類に分けられているんです。
中村 介護保険制度も酷くて、これだけ人手が足りなくて大騒ぎしているのに介護報酬の大幅引き下げっていうのはありえませんよね。もう、国は介護職を普通に生かすつもりがないでしょう。
北条 生かさず殺さずを増やしていくわけですね。
中村 若者は騙して搾取、介護職とか保育士は生かさず殺さず、女子大生にはカラダ売らせればいいやって、仮に政府主導で計算してやってるとなると、恐ろしいです。まぁさすがに財務省もそこまでは考えてないと思いますが。
北条 移民を入れてっていう前提かもしれないですね。
中村 現実的に介護業界は移民を入れないとたぶんダメだと思います。いま介護関係の企業や団体の上層部はどんどん海外へ視察に行って、移民にブラック労働させようって計画していますよね。
北条 ブラックな労働現場は、風俗産業に限りませんね。
中村 売春のほうがまだいいという考え方もあります。売春は日本人女性で飽和しているけど、収入の上限がなくて、正当な報酬が得られる可能性がまだあります。
北条 お金だけで見たらそうですよね。もう、なにもかもが、自己責任でなんとかしろっていう理屈ですね。売れるものがあれば売れって。生活保護の窓口に相談に行ったら水際作戦で女性だと売春勧められるっていうのはよく聞きますし。暗にあなただったら働けるところあるでしょう、みたいな感じで。
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