毛沢東時代の大飢饉暴いた中国人記者が出国禁止に (1/2ページ)

2016.04.09

 中国の国営新華社通信のエース記者として活躍し、毛沢東の失政によって1959年から1961年までの3年の間に発生した大飢饉の実態をまとめた書を発表した楊継縄氏が自宅軟禁状態になっていることが分かった。

 ハーバード大学が楊氏の著書を高く評価し、同書を年間でもっと優れたジャーナリストの作品として選出。楊氏を授賞式に招待したところ、中国当局は同書を発行禁止処分にするとともに、楊氏の出国を禁止した。米ニューヨーク・タイムズが報じた。

 楊氏は1940年11月、湖北省の生まれで、現在75歳。名門の清華大学を卒業後、1968年に新華社に入社、記者として活動し、1992年には中国でもっとも傑出したジャーナリストに選ばれている。

 同書は『墓碑−中国六十年代大飢荒紀実』(上・下、香港・天地図書)だが、邦訳として「毛沢東 大躍進秘録」(文芸春秋)がある。

 楊氏が大飢饉の実態を調べようとしたきっかけは、養父をこの飢饉で失ったためで、1990年代から精力的に調査を開始。

 同書によると、この大飢饉における死者数は国家統計局データを基にすると4770万人で、地方志や地方の統計を集計すると5318万人。しかし、楊氏の現地調査などでは不正常な死に方は3600万人、出生減4000万人で、結局人口損失は7600万人にのぼるという。

NEWSポストセブン

 

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