200兆円ばらまいたのに円高、日本企業の利益5兆円消失

■円高で日本企業の利益5兆円消える

 しばらく円安で好景気にあずかっていた日本企業だが、円高が顕著になってにわかに騒がしくなってきた。

 日本経済新聞は8日、「今年に入って円高で5兆円の企業利益が消えたものと推算される」と報道した。日本商工会議所の三村明夫会頭「(中小企業にとっては)1ドル=110-115円が居心地の良い水準」と述べた。

 一方、円高は韓国の輸出企業にとっては好材料だ。ピョン・ヤンギュ韓国経済研究院マクロ研究室長は「日本が円安政策を執ったこの2-3年間、東南アジア諸国連合(ASEAN)などで韓国のシェアが低下したのに対し、日本は輸出を伸ばした。円高が続けば、韓国の輸出企業が利益を得る」と予想している。現代経済研究院によると、昨年の世界市場で韓国と輸出競合度が最も高い国は日本だったとのことだ。

 しかし、「日本政府は円高を放置しておかないだろう」という見方もある。今年1月に施行されたマイナス政策金利をさらに下げるという切り札を使う可能性もある。このため、来年4月に予定されている消費税引き上げ時期をさらに先送りし、財政をさらに解放する政策も敢行する可能性がある。安倍首相は5日、公共事業関連予算12兆円のうち10兆円を上半期に早期執行すると明らかにした。

 ユ・ボクグン韓国銀行先進経済チーム長は「経済がこのまま崩れれば、日本政府や日銀が放っては置かないだろう。6月に米国が基準金利を追加で引き上げれば、再びドル高・円安になる可能性もある」と予想した。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者
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