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消費者の購買体験を変える?アマゾンがセルフィー決済の特許を申請中

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オンラインショッピング最大手のAmazon。ただの本屋さんだったのも今は昔、今では日用品からデジタル製品、ファッションアイテムにいたるまで、多様な商品群を展開しており、アマゾンが届かない日がないくらい愛用している人も少なくないのではないでしょうか。

多様な商品群を用意するとともに、同社は最短1時間で配送する「Prime Now」や、スマホを開かなくても専用ボタンを押すだけで注文できるIoTデバイス「Dash Button」など、オンラインでの購買体験におけるパイオニア的存在でもあります。

そんなAmazonが、次に用意している購買体験の変化は、セルフィーによって実現されるようなんです。というのも、特許申請によると同社はセルフィーを使った本人確認を行おうとしているようなんです。

セルフィーが本人確認のスタンダードになる?

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仕組みとしては、いわゆる顔認証システムに近いもの。

普通の表情と、笑顔やウインクなど表情を変えたもの、計2枚の写真から本人確認を行います。セルフィー認証によってアマゾンは、購入ボタンを押してから購入完了に至るまでの、パスワード入力などの心的ハードルを下げることを狙っているというわけです。

実は、セルフィーによる顔認証での本人確認は、一足先にMaster Cardが今年2月より導入をはじめています。Master Cardの場合、顔認証だけではなく指紋認証も利用でき、専用アプリを用いてアプリ内にクレジットカード情報と顔写真、指紋を登録。そこから、オンライン決済の際に写真を撮るか、iPhoneのtouch IDなどの指紋センサーで指紋認証をすることで決済の本人確認を取るというものです。

決済分野における本人確認は、シビアな問題であるものの、日常的に必要にある「手間」でもあるので、そのハードルを少しでも下げることは、長いスパンで見ればかなり多くの手間を解消することにつながるといえます。そういう意味においてセルフィーが一般的になってきた今、セルフィーによる認証はこれから更に広がっていく可能性は決して低くないといえるでしょう。

オンラインもリアルも、ショッピングの体験は進化を続ける

今回の決済分野に限らず、オンラインでの購買体験は日々進化を続けています。ただ、どうしてもリアルの購入体験と比較されてしまうため、リアルに限りなく近づける方法と、リアルでは実現できない体験を提供する方法の2種類の進化が同時に進んでいるといえるでしょう。

前者でいうと、バーチャルフィッティングサービス系や、店舗に行かずともネット上でカスタムサイズオーダーに対応する「LaFablic」などがあげられます。逆に後者の方は分かりやすく、今回の決済分野もそうですし、TVや映画で見ている服を購入できる「Spylight」などはまさにネットならではでしょう。

また、逆にリアル店舗においても、テクノロジーを取り入れることは顧客体験を広げることにつながるため、徐々に導入が進んでいます。インタラクティブフィッティングルームスマートミラーなどはまさにその好例で、リアルの良さとテクノロジーを上手く組み合わているといえます。

純粋なテクノロジーとして進歩するオンラインショッピングと、テクノロジーを上手く取り入れることで顧客体験を広げるリアル店舗。それぞれの魅力を活かし、テクノロジーによるさらなる進化が、今後も期待できそうです。

Text : Kazuyuki Koyama