【動画】巨木「小川内の杉」の高台移設作業=高橋伸竹撮影
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 福岡県那珂川町と佐賀県吉野ケ里町で建設が進む五ケ山ダムの水没予定地にある巨木「小川内(おがわち)の杉」(吉野ケ里町)を約40メートル上の高台に移す作業が9日、行われた。地元神社のご神木を水没から守る移植作業の一環。立ったままの杉(鉄製の箱を含め総重量560トン)をジャッキで引き上げた。

 小川内の杉は樹齢約700~800年とされ、近くの山祇(やまづみ)神社のご神木。1956年に県の天然記念物に指定された。

 移植作業は今年2月下旬に始まった。元の場所から約220メートル南で、約40メートル高い場所にある山祇神社の横まで動かす計画。この日は、山の斜面に盛り土をして敷設した約170メートルのレール上を、杉を入れた鉄製の箱(縦12メートル、横10・5メートル、高さ13・5メートル)ごと引っ張り上げた。

 今後、神社のそばに杉を移動させ、5月ごろに作業を完了する予定。移植にかかる費用約7億8千万円は、ダム建設の主体となる福岡県が負担する。(磯部佳孝)