登録 : 2016.04.08 23:45 修正 : 2016.04.09 06:58

日本軍「慰安婦」被害者キル・ウォンオクさん(前列左)と「韓日政府の日本軍慰安婦合意無効と正しい解決のための全国行動」会員らが3月29日、ソウル鍾路区の青雲・孝子洞住民センター前で不当な韓日合意の撤回を要求している =キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

「合意再協議」の世論が58%でも
セヌリ、共に民主、国民の党まで
総選挙公約集で全く言及せず
正義党は「無効化、再協議推進」

 韓日両政府の日本軍「慰安婦」被害者問題の12・28合意に対する反発が依然激しい。 「政府は再協議しなければならない」という意見が58%(1月8日韓国ギャラップ)に達し、被害者たちは「人間の尊厳を侵害した合意で違憲」とし憲法訴訟を起こした。 一方、韓国政府は日本政府との12・28合意履行のための実務協議に速度を上げている。 早ければ今夏から合意内容である被害者支援財団の設立作業が本格化すると発表された。

 だが、与党のみならず第1、第2野党の総選挙政策公約集にも、この問題と関連した言及は全くない。 第20代国会議員選挙で慰安婦被害者問題が徹底的に敬遠されていると指摘される理由だ。 韓国挺身隊問題対策協議会のユン・ミヒャン常任代表は「なぜ共に民主党と国民の党までが政策公約集で慰安婦問題に言及すらしないのか」とし「慰安婦問題を軽視している」と批判した。

 セヌリ党は12・28合意を支持し歓迎するという見解を繰り返し明らかにした。 合意直後、セヌリ党のイ・ジャンウ広報担当は「慰安婦問題解決の進展を歓迎する」(12月28日)と公式論評し、金武星(キムムソン)代表は「これまでのいかなる合意よりうまくいった合意と見る」(12月31日)と持ち上げた。 とはいえセヌリ党が総選挙公約集でこの問題を「外交成果」として前面に出さないのは、否定的世論が強く、総選挙での得票に役立たないという判断があるものと見られる。

 共に民主党の態度は混線そのものだ。 共に民主党は12・28合意の後、「再協議」を党論として採択した。 しかしこれを公約集には反映しなかった。 昨年12月31日、当時の文在寅(ムンジェイン)代表は国会のローテンダーホールで糾弾大会を開き、「空前絶後の屈辱的交渉であり、慰安婦被害者の人生全体を根こそぎ侮辱した」として「この合意に反対し無効を宣言する」と明らかにした。 同党が出した15件の関連論評とブリーフィングも大同小異だ。 しかし同党の総選挙指令塔を務めるたキム・ジョンイン代表は3月1日、慰安婦被害者たちと会った席で「ひとまず国家間の交渉をしたので現時点では修正できる条件はないと考える」と一線を画した。 公式党論とは180度異なる態度だ。

 国民の党は政策公約集でこの問題を扱わなかっただけでなく、12・28合意後に創党したためか、関連公式論評をただの一度も出していない。 ただし、安哲秀(アンチョルス)共同代表が「大統領と政府は12・28合意の無効を宣言すべきだ」(2月20日ツイッター)という趣旨の発言は繰り返した。

 正義党をはじめ労働党や民衆連合党など進歩指向の政党は、それぞれ政策公約集で12・28合意無効化と再協議を求めている。 正義党は「慰安婦合意を無効にし再協議を推進する」として「新たな韓日協定の締結」を提案した。 労働党は「合意無効化」とともに「日本政府次元の謝罪と賠償要求」を盛り込み、民衆連合党は「条約締結の手続き法を制定し慰安婦合意を再検討する」と掲げた。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-08 19:35
http://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/738923.html 訳J.S(1542字)

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