特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
こんちは。チルドです。
青春の一冊ということで、記憶をたどってみたところ、意外な小説を思い出しました。
黄金拍車〈1〉異次元騎士カズマ (角川文庫―スニーカー文庫)
- 作者: 王領寺静,安彦良和
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1988/03
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
王領寺静(藤本ひとみ)著の「黄金拍車」です。
実のところ、この小説、あらすじをまったく覚えてないんです。ここに書くために、あらためて調べてみたんですが、うっすらと思い出す程度でしたね。
それを、なぜ思い出したのかというと、ヒロインがあまりにも悲劇的な小説だったからなんです。
あまりにもリアル
「黄金拍車」には、とても可愛いヒロインが出てきて、主人公のカズマに恋したりするんですが、その展開があんまりなんですよ。
あるヒロインが、敵の海賊に捕まってしまい、それを主人公のカズマが救出へ行きます。迫りくる海賊をバッタバッタと切り倒して、見事にヒロインの救出には成功するんですが…。
ここまではいいんですよ。わぁーいって僕も無邪気に喜んでいました。
ところが、その後にとんでもない展開が待っているんです。
あわわ…ヒロインが大変なことに
ヒロインは悪者に捕まってしまったので、とうぜん船の中のせまい船室に閉じ込められていました。
しかもベットに、鎖で両手を繋がれていたんですよ。そして、来る日も来る日も、船に乗った何百人もの荒くれ者たちに乱暴されていたのです…。
超絶にかわいいヒロインが、悪者に捕まってしまったのですから、そうなることは、容易に想像がつくのですが、その現実を目の当たりにすると、僕は震えが止まりませんでした。主人公のカズマより、はるかに大きな衝撃を受けたんじゃないかと思います。
僕はどこかでハッピーエンドを期待していたんです。かわいいヒロインが、無傷で救出されるファンタジーを夢見ていたんです。
しかし、現実はそんなに甘くありませんでした。体中には無数の傷がつき、おびたたしい体液で汚れてしまったヒロインは、もう意識も途切れがちになっています。
そして最期に、カズマに抱きかかえられたヒロインはこう言います。
「そのドアを、つぎに開けて入ってくるのは、カズマじゃないかって、それだけが希望だったの…」
僕はそのセリフを読んで、泣き叫びながらベッドのうえを転げ回ったものです。
セリフは定かではありませんが、ニュアンスはそんな感じでした。なにしろ30年まえのことなので、記憶が曖昧なこと、ご了承くださいませ。
終わりに
僕の人生のなかで、もっとも多感な中学生時代に出会った物語ですから、その衝撃は並大抵じゃなかったですね。トラウマと言っていいと思います。
最近のファンタジー小説は、あまりよく知らないのですが、1990年代は、全般的にかなり過激な描写が多かったです。
あの当時は、成人向け雑誌などは、気軽に売られていませんでしたし、もちろんインターネットもありませんでしたから、小説はちょっと過激なくらいが、ちょうど良かったのかも知れませんね。
あらすじ
なにしろ、むかしの小説なのでオフィシャルな商品紹介(あらすじ)が見つからなかったので、Amazonレビューを引用しておきますね。
By ちょえ - 2007/11/3
まっすぐでひたむきな主人公が、ある日突然異世界に飛ばされるが、そこの環境に適応し、どんどん成長し強くなり、頼りがいのある仲間を得て、ヒロインを助け、悪をくじく…という、少年ジャンプのような直球冒険小説であり、また、それがスピード感と情感あふれる展開で今のティーンエイジャーにもつよくお奨めしたい作品です。
ただ、採りあげたのはそれだけでなく、ジャンヌ・ダルクに取材した数少ない小説のひとつでもあるからです。ここまで荒唐無稽ながら、明らかに史実に反していることはまったく描いていないというのは見事というほかありません。
黄金拍車〈1〉異次元騎士カズマ (角川文庫―スニーカー文庫)
- 作者: 王領寺静,安彦良和
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1988/03
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
興味があればぜひ。
ではでは。