蹴球探訪
フロンターレと陸前高田市
築かれた新たな絆
(3月16日)
【ゴルフ】松山英樹、優勝候補の意地で13位2016年4月9日 紙面から ◇マスターズ<第1日>
▽男子メジャー第1戦▽7日、米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC(7435ヤード、パー72)▽晴れ、気温21度、強風▽89選手(うちアマチュア6人) 【オーガスタ(米ジョージア州)松岡祐司】日本から唯一出場している松山英樹(24)=レクサス=は4バーディー、3ボギーの71で回り、首位と5打差、自己最高となる13位タイ発進を飾った。ショットが不調ながらアプローチとパットでスコアをまとめ、上位を狙える好位置に付けた。史上4人目の連覇を目指すジョーダン・スピース(米国)が6バーディー、ノーボギーの66で単独トップ。4大メジャー制覇がかかるロリー・マキロイ(英国)は6打差9位とまずまずの立ち上がりだったが、世界ランク1位のジェーソン・デー(オーストラリア)は出入りが激しく21位と苦しんだ。歴代優勝者のバッバ・ワトソン(米国)は54位、アダム・スコット(オーストラリア)は59位と出遅れた。 最後は意地だった。18番パー4、フェアウエーからの2打目。松山は8番アイアンを振り抜き、ピン左5メートルにつけた。やや下りのラインを真っすぐ押し出し、力ずくでねじ込んだ。狙って仕留めたバーディー締め。オーガスタで6ラウンド連続となるアンダーパーを記録し、グリーンを取り囲む大勢のパトロン(観客)から大喝采を浴びた。 「後半の(悪い)流れで、バーディーで終われたのは良かったなと思う」 苦しかった。11番から始まるアーメンコーナー出口の13番で1打目を右に曲げ、林の中へぶち込んだ。上り調子だったはずのショットが一転、「ここまで悪くなるとは思わなかった」と松山自身も驚くほど制御を失っていた。 14番パー4。フェアウエーからピンを一直線に狙った2打目はグリーンを大きく越え、パトロンの足元まで転がった。青空に叫び声を上げ、クラブを2度、地面にたたきつけた。完全なミスショットだった。3メートルのパットも入らず、力なく天を仰いだ。失速を予感させる痛恨のボギー。だが、しょぼくれる間もなく迎えた終盤4ホールで、松山が「優勝候補」の地力を見せつけた。 15番で3打目のアプローチをピンそば80センチにつけ、ナイスパー。16番で4メートルのパーパットを沈めると、17番パー4では球を傾斜にぶつける絶妙な寄せでピンそば20センチにピタリと寄せ、窮地をしのいだ。 「(ピンチで)パーセーブできたので、最後にバーディーが取れたのかな。(優勝の)可能性をつぶさなくて良かったと思う」。フェアウエーキープ率57・14%は62位、パーオン率50%は63位。ただ、タイトロープを渡りながらも、決して倒れない。それどころか、流れを引き戻してしまう粘りこそが、松山の命綱だった。 ボギー発進を引きずり、初日に80をたたいた2年前の弱々しい姿は、もうない。2連覇を狙う好調のスピースとは5打差。今の松山であれば、「奇跡」をうたう範囲ではない。 PR情報
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