【阪神】西岡サヨナラ打!「少し気持ちが晴れた」お立ち台で涙
2016年4月8日22時54分 スポーツ報知
◆阪神3x―2広島(8日・甲子園)
これまでの苦しみを洗い流すような一打だった。同点に追いついた直後の9回1死一、三塁。鋭く振り抜いた西岡の打球は、右中間を抜けていった。今季初のサヨナラ勝ちで首位奪取。「この2年間、ケガをして…。この場に立てたことをうれしく思います」。ヒーローインタビューを受ける背番号7の両目から涙がこぼれた。
かすんだ視界の先には内野席の家族がいた。「ちょうど両親が見に来ていたのが目に入った。格好悪いんですけど…。今日、少し気持ちが晴れました」。幼少のころからスパルタ教育で練習に付き合ってくれた父・邦昭さんの喜ぶ姿に感極まり、こらえきれなくなった。
14年の開幕直後には福留と交錯し、鼻骨や肋骨を骨折。昨年は右肘じん帯を傷め、50試合の出場にとどまった。「もう辞めたい」と漏らした時、必死に止めたのが両親だった。「あなたのユニホーム姿をもう1年見たい。それで駄目なら(引退を)考えたらいい」。必死にリハビリを続けられたのは、恩返しの気持ちだった。
サヨナラ打の直後には一塁ベンチ前で金本監督とがっちりと抱き合った。キャンプから尻をたたき、無心で白球を追いかけさせてくれたもう1人の恩人だ。「もう、さぼり大魔王じゃないんで。まだ始まったばかりですし、順位は関係ない。一戦一戦、戦っていく上で最終的に一番上にいられたらいい」。酸いも甘いも知り尽くすベテランが、ようやく聖地に帰ってきた。