空自機墜落、6人全員の死亡確認

2016年4月8日19時40分  スポーツ報知
  • 墜落した空自機のものとみられる破片が散らばる山の斜面。下は現場上空を飛ぶ航空自衛隊のヘリコプター(共同通信社ヘリから)

 航空自衛隊飛行点検隊(埼玉県・入間基地)所属の6人乗りのU125飛行点検機が墜落した事故で、防衛省航空幕僚監部は8日、鹿児島県の山中から心肺停止状態で発見された6人全員の死亡を確認したと発表した。

 「家族の了解が得られた」として、機長の平岡勝3佐(46)ら6人の氏名や階級なども公表。6人は海自鹿屋航空基地(鹿屋市)に搬送されており、身元の確認を進めている。

 一方、墜落現場の標高が約900メートルで、レーダーから消失した際の高度とほぼ同じであることが判明。水平飛行中に山肌に激突した可能性があり、空自は現場付近で回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)などのデータを解析し、事故原因の解明を急ぐ。

 空自によると、当時の気象記録から、同基地周辺では高度約760メートル付近には薄い雲が、約1220メートル付近には厚い雲がかかっていたとみられる。現場付近の飛行経験がある自衛隊のパイロットは「墜落現場近くは高い山が連なっており、雲が発生しやすい」と指摘。そのため「飛び慣れた隊員でも、プレッシャーを感じる空域だ」といい「一度入った雲を抜けた先に山肌が急に現れ、回避行動が間に合わなかった可能性がある」と分析した。

 U125は6日午後1時15分ごろ、鹿屋航空基地を離陸。同基地内にある戦術航法装置(TACAN)から電波が正常に発信されているかを点検中だったが、同日午後2時35分ごろ、同基地の北約11キロに位置する御岳周辺を高度約880メートルで飛行中に、レーダーから機影が消えた。

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