【お悩み】いつもクラスの中心人物(派手な人)に嫌われてしまいます。話したこともないのに、なぜ嫌われてしまうのでしょうか。
- 2016/04/08 ~ 2016/04/16 まで公開
お悩み
私は小学生から高校生のいままででずっと人間関係に悩んできました。 その悩みは毎年同じで、いつもクラスの中心人物(派手な人)に嫌われてしまうということです。 私は派手な人が苦手なのでなるべく近づかないようにしたり、話さないようにしています。 話したこともないのに、なぜ嫌われてしまうのでしょうか。
回答
ご質問誠にありがとう御座います。 『1984』という小説をご存知でしょうか? 村上春樹さんの『1Q84』では御座いません。『1984』で御座います。 これはイギリスの作家ジョージ・オーウェルの作品で東西冷戦をモチーフにした小説で御座います。 ちなみに『1Q84』の作者村上春樹氏もインタビューで作品の土台として『1984』がある、という旨の発言をしておりますので、『1Q84』をお読みになった方は『1984』も読んでみると新しい発見があるかもしれません。 さて、この『1984』ですが先ほど申し上げたとおり、第二次世界大戦後の東西冷戦がモチーフになっております。 ソ連とアメリカという二大国が世界の雌雄を決するがごとく、冷たい戦争を繰り広げていた激動の時代。 そんな戦後の世界がオーウェルの目にはどう映ったのでしょうか。 それでは簡単に『1984』のあらすじをご説明させていただきます。 第二次世界大戦が終結した世界は、1950年代の核戦争を経て、『オセアニア』『ユーラシア』『イースタシア』という3つの国家に分けられました。 3つの国家は絶えず対立し、戦争を続け、国民はその戦況に一喜一憂するような世界です。 そんな世界で、ウィンストン・スミスという男性がいました。 彼はそんな堅苦しい世界で生きていくうちに、さまざまなことに疑問を抱いていきます。 なんで戦争をしているのか。 国家の目的はなんなのか。 真実とはなんなのか。 じつはこの世界は、すべてが『オセアニア』『ユーラシア』『イースタシア』の政府によって支配されています。 そもそもこの世界で発生する戦争とは、政府が仕組んだ出来レース、つまりはやらせのようなものでした。 戦争をしていると、国民はまじめに働きますし、政府に対しての反抗活動もあまり行ないません。 この状況は支配者にとって非常に都合がいい。 国民全員が国家に忠誠を誓ってくれるのですから、こんなに統治しやすい国家はありません。 こういった思想はファシズム、ナショナリズム、全体主義と言います。この3つは細かい違いがあり、政治学者はいろいろな定義を言いますが、どれも根本は変わりません。 その根本とは「より効率的に支配者階級に権力を集めるか」というもの。 もっと具体的に言えば「より効率的に国家への忠誠を誓わせるか」というものです。 さて、では「より効率的に国家への忠誠を誓わせる」ためには、どのような方法があるでしょうか? ひとつにはよい国家を作るという方法が御座います。 これは『インド洋の宝石』と呼ばれるモーリシャス共和国などがよい例でしょう。 「神はまずモーリシャスを作り、それをマネて天国を作った」 とまで言われる絶景で有名なモーリシャスは、その絶景を活かした観光業と港付近の軽工業、そしてサトウキビの栽培で成り立っている国家ですが、この国は大きく5つの民族が共存しています。 この5つの民族はもともと対立していたのですが、1968年の独立以降、安定した経済成長を続け、アフリカでも随一の高所得国家となりました。 その結果、それまでは『フランス人』や『インド人』と名乗っていた人びとも、自分は『モーリシャン(モーリシャス人)』であるという意識が芽生え、愛国心を持つようになります。 同じような方法で近年愛国心を作りだした国家として『アフリカの優等生』ことボツワナ共和国があるでしょう。ボツワナもまた、モーリシャスと同じように安定した経済成長を遂げ、愛国心を持つようになりました。 しかし、この方法は誰しもができる手段ではありません。 簡単に「よい国家を作る」と言いましたが、それが非常に難しい。1960年以降、多くのアフリカ国家が植民地からの独立を果たしましたが、その中で「よい国家」を作った国と言えばモーリシャスとボツワナ以外にはほとんど御座いません。 いくつの国家が独裁になり、いくつの国家がほとんど発展できず、いくつの国家が内戦になり、いくつの国家が崩壊消滅したか調べてみると「よい国家を作る」ということがどれだけ難しいかがわかるでしょう。 では、そういった国家がどのような手段をもって『国家への忠誠』を高めるのでしょうか。 多くの場合に用いられるのは『共通の敵』を作ることで御座います。 『ソ連』という共通の敵を作ったアメリカをトップにした西側陣営。 『アメリカ』という共通の敵を作ったソ連をトップにした東側陣営。 ナチスドイツのユダヤ人、ルワンダのフツ族とツチ族、ポルポトによるクメール・ルージュ、毛沢東による文化大革命、日本で言えば、えた・ひにんなど。 おそらく聞きなじみのないものもあることでしょう。ですが、できることならばこのあたりのことはぜひとも勉強していただきたいのです。私は基本的に「あれをしろ」「これをしろ」とは言いませんが、どうか簡単に概要を知るだけでもいいので調べてみてくださいませ。 人間は『共通の敵』ができたときに、意図も簡単に団結します。これは社会性を持って生きることを強いられた『人間』という生き物の宿命かもしれません。 わかりやすい例が少年漫画です。ジ●ンプでもマガ●ンでも、たいていの少年漫画は『共通の敵』が出てくるとそれまでライバル同士だったふたりが協力する。具体的に言ってしまえば『フリ●ザ』という共通の敵が出てきたベジ●タと悟空とか『フォクシ●海賊団』という共通の敵が出てきたゾロとサ●ジなどが良い例です。 さて、だいぶ話は脱線しましたが、今回お伝えしたいのは「共通の敵があらわれると、国民が団結するので、指導者にとって都合がいい」ということで御座います。 これこそが1984のテーマのひとつであり、これまで人類がいく度となく繰り返してきた歴史で御座います。 つまり、逆に言えば、自分のチームの団結に不安がある指導者は意識的にせよ無意識的にせよ「共通の敵を作りたくてしかたがない」と言えるでしょう。 このことを踏まえて、今回のご質問にお応えさせていただきます。 おそらくご質問者さまが苦手な派手な方は少なからずグループを作っていることでしょう。 そして派手な方というのは、それだけでグループのリーダーになりやすい。 そんなとき、グループを団結させようと思ったら、どうしますか? 今回のご質問の答えが出ませんか? 話しかけてくる人間を共通の敵にするのは難しい。 なぜなら、グループの中に、その子と仲のよい子がいるかもしれないから。 自分より強いグループを共通の敵にするのも難しい。 なぜなら逆に自分が潰されてしまうから。 別のクラスの人間を共通の敵にするのも難しい。 なぜなら『共通の敵』が見えにくいから。『共通の敵』は見えていてこそ組織は団結します、見えない共通の敵に意味はありません。 おそらく私の言いたいことを理解していただけたことと思いますが、そんなご質問者さまは次にこのような疑問を抱くのではないでしょうか。 「どうしてグループを団結させようとするんですか?」と。 簡単ですよ。 グループが崩壊したとき、次の『共通の敵』になるのはグループのリーダーです。 一度リーダーになればわかります。忠誠を誓っていた部下は、負けた途端、平然としれっとした顔で「じつは前からリーダーには不満があった」と言いますから。 この文章を「そんなことするなんて酷い話だ!」なんて言っている人間が平然と手のひらを返します。自分自身に「俺は昔からリーダーには反対だったんだ」と言い聞かせながら。 たいへん申し訳ないのですが、ご質問者さまはそもそも大事なことを誤解されています。 組織は「嫌な人がいるから、人を嫌いになる」のではありません。 組織は「嫌いな人が必要だから、嫌いになっても問題のない人間を探す」のです。 少し考えてみて下さいませ。人の好みは人それぞれです。それにご質問者さまが思っているほど『個人』は無暗に人を嫌いになったりはしません。 ですので、人がみな『個人』で行動をしているのならば、特定の誰かに憎しみが集まることは余程特殊な事情がない限りあり得ないのです。 それにも関わらず現実には“なぜ”特定のひとりに憎しみの感情が集中するのでしょうか? それは「その人物は嫌われる必要がある」「その人物を嫌わなくてはいけない」というグループにおける共通意識から、嫌いだと思い込み、本当に嫌いになるのです。 その点、残念ながらご質問者さまはじつに都合がよかった。 それだけです。 ですのでご安心くださいませ。 別段ご質問者さまの性格や外見に致命的な欠陥があるとかそういうわけでは御座いません。 ただただ「都合がよかった」だけで御座います。 悔しいですね、悲しいですね、不快ですね、理不尽ですね、現実なんて糞くらえですね。 ところで、どうして私がこんなにひどいことを言うと思いますか? それはね、同じ立場だったことがあるからですよ。 そしてそのときに「自分が動かなければ絶対に救われない」ということを学びました。 今回のお悩みを解決するいちばん簡単な方法は、その派手な方のグループに入ることです。 次に簡単なのは別のそれなりに力のあるグループに入ること。 ターゲットにならないほどの『最強の個人』になるのは修羅の道です。これは非常に厳しい道なのでオススメはしませんが、屈辱に耐えられないタイプの方はこの方法がよいでしょう。 良心の呵責に苛まれないなら、自分より都合のよい『共通の敵』を作り出すのもよいでしょう。これは良心の呵責に苛まれないという素質も必要ですが、ある程度の技術も必要になります。ちょっと難易度の高いテクニックです。 方法はいくらでも御座います。ですがもしご質問者さまに『戦う意思』がないのならば、素直に逃げ、耐えることをオススメいたします。 賭けてもいいです。本文を読んで「イジメなんて許せない!」とか「酷い!」とか「私はこんなことしない」なんて言っている人間は、今回のご質問者さまのお悩みを解決するためには「まったく」役に立ちません。 「なんで、みんな仲よくできないの?」 「無関心だけがほしいのに、どうして嫌うの?」と疑問に思ったかもしれませんね。 そんなの簡単ですよ。 だってご質問者さまだって「派手な方」は苦手なのでしょう? オブラートに包んではいますが、嫌いと言っているようなものですよ。 そして『無関心』が嫌いな方もいる。 グループのリーダーが逆なら、その派手な方がこのご質問を送っていた。 そこだけはどうしても心に刻んでいただきたいのです。 決して忘れないでいただきたい。 私も、ご質問者さまも、ほかの読者さまも『たまたま共通の敵』になってしまったから悩んでいるだけです。 立場が逆なら、すべてが逆になっていた可能性は十分にあるのです。 人間の中にある恐怖、妬み、恨み、欲望を忘れないでください。 私の中にも、ご質問者さまの中にもかならずある。 ですので、その派手な方は何の異常者でもありません。いたって平凡で、普通で、一般的な人間です。 ちょっとだけ環境が私たちと違っていた。 たまたま、多くの人に人気のある性格をしていた。 「実は前からリーダーには不満があった」と言う方も同じです。 いたって平凡で、普通で、一般的な人間です。私たちが、そうなっていないのは本当に『偶然』そういう環境にいなかったというだけです。 だから、そんなに怯えなく大丈夫ですよ。 目の前の派手な方は、私たちと何も変わらない平凡で、普通で、一般的で、そして臆病な人間です。 何も特別な人間ではない。 平凡で、普通で、一般的で、そして臆病な私やご質問者さまと何も変わりません。 ただ、たまたま環境が違っただけです。 私が今回、本文の中でかなり酷く非難した「リーダーではない、グループの人間」もまた同じです。最初のうちはそんな人間が卑怯に見えるかもしれませんが、そんなことはありません。人間という生き物の本質を考えれば、むしろそういうふうにならない人間のほうがずっと異端です。 だから、その程度のことで彼らを嫌いになる必要はありません。 難しいかもしれませんが、自分も立場と環境さえ違っていればそうなっていた、ということをどうかどうか忘れないでくださいませ。 最後になりますが、あれから10年以上たち、少しばかり大人になった私が、もしあのときに戻ったらどのような手段を取るか、ということを考えてお伝えさせていただきます。 少なくとも当時の私には絶対にできなかった手段ですから、この手段を取れ、とは申しません。 ですが、今の私が、当時の私に何を伝えるかと言えば、おそらくこの言葉を伝えます。 「悪口を言われたり、嫌がらせをされたら、笑って「お前さんもたいへんだな」と思っておけばいい。 あれはあれでリーダーってのはたいへんなんだよ。 そう思うと憎しみよりも同情心が湧き上がってくる。 そして、ちょっと立場が変われば簡単にああいうふうになりかねないということだけはくれぐれも忘れないでおいてほしい」
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