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【首都スポ】

創部120年に巻き起こす筑波旋風 FW北川“覚醒”の時

2016年4月8日 紙面から

今季こそ得点量産を狙う筑波大蹴球部の北川柊斗=茨城県つくば市で(河口貞史撮影)

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 先週末に開幕した第90回関東大学サッカーリーグ(東京中日スポーツ後援)で、2年ぶりに1部に戻ってきた筑波大が創部120年という節目の年を迎えタイトル獲得を貪欲に目指す。初戦を白星で飾ることはできなかったが、FW北川柊斗(3年・名古屋U18)が本来のゴールスコアラーぶりを発揮できれば、12年ぶり15度目のリーグ制覇も夢でない。多くの主力が抜けた守備ラインでは、2年生のDFリーダー、鈴木大誠(星稜)が目標実現のためにスケールアップを自らに課す。 (関孝伸)

 覚醒するべきときがやってきた。中3時から足掛け5年にわたって年代別の日本代表に選出されてきた逸材、FW北川が不退転の覚悟をもって今季に臨む。

 「チームとしてはリーグ優勝、個人としては得点王を目指します。ゴールに関しては最低でも2桁は取らなければいけないと思っています」

 名古屋U18から大きな期待を背負って入ってきたが、過去2年間は不本意なシーズンが続いた。1年目は1部リーグで1得点。2年目は2部リーグで9ゴールをマークしたものの、終盤戦に入って先発落ちするなど、後味の悪い終幕だった。

 「名古屋では試合に出るのが当たり前でした。でも、大学ではそうではありません。高校時代の自分は守備をしない部分がありましたけど、筑波に来て、攻撃以外のところでもハードワークをしてチームに貢献しなければ試合に出られないことに気づかされました。この2年間は苦しいシーズンで悔しい思いもしました。でも、悩んで人間的にも成長できましたし、良かったと思います」

 2年の間に、同い年で今季ツートップを組む中野誠也(3年・磐田U−18)が頭角を現した。2人は中高時代を同じ東海地域で過ごし、しのぎを削ってきたライバルだった。大学入学までの実績は北川の方が上だったが、立場は2年の間に逆転。北川が苦しんでいる間に得点を重ねた中野は全日本大学選抜入りを果たしている。

 エリートだった北川としては負けてはいられない。さまざまなシュートパターンを持つオールラウンドな点取り屋が守備でも尽力できるようになり、機はまさに熟した。

 「誠也とふたりで点を取り合っていければいいと思います。ふたりとも2桁取れば、チームは必ず上に行けます。でも、最後には誠也よりも点を多く取っていたいという思いはやっぱりもっています」

 北川と中野。どちらかが得点すれば、もう一方も決めたいとの思いが募る。両者のモチベーションが相乗効果となって結果につながれば、チームの勝ち点はおのずと積み上がるはずだ。北川自身が納得の働きを遂げたとき、筑波大は今リーグ戦の台風の目になる。

 <北川柊斗(きたがわ・しゅうと)> 1995(平成7)年6月1日生まれの20歳。三重県出身。177センチ、70キロ。鈴鹿市・どうはく幼稚園年少組のときに津田サッカークラブ(SC)でプレーを始め、小学生のときは庄野ジュニアSCに所属した。J1名古屋の下部組織で中高の6年間を過ごし、中3時の高円宮杯全日本ユース(U−15)選手権と高1時のJユースカップで優勝。中3時から各年代の日本代表に入り、筑波大でも1年時にU−19代表のメンバーに選出された。

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