社会に価値を生む企業が、勝ち続ける理由
企業の社会貢献は、本業とは別の活動だと思われることがある。しかし、事業そのものが社会に価値を生んでいる一面もある。さらに社会価値と事業価値の両立を提唱するCSVという考え方は、企業の長期繁栄につながるのではないか。
事業と社会貢献の両立は「きれいごと」か
先日、イベントでサイボウズ副社長の山田理さんのお話をお伺いする機会がありました。サイボウズは、働きやすい職場をめざしさまざまなユニークな人事制度を実施する一方、社会に対して「多様性のある働き方」も提唱されています。
山田さんのお話の中で印象的だったのが、「社会貢献活動(CSR)ってよくわからないんです。なぜなら僕らは本業が社会に貢献していると信じているからです」と力むことなく仰ったことでした。
いわゆるCSRは、本業から出た利益を、本業外の社会的な活動に使うことだと理解されます。このCSR活動に、僕も疑問に思うことがありました。
企業は永続的な事業を運営することで、実に多くの社会的価値を生み出しています。まず、自社の製品やサービスが買われているということは、社会で必要とされている証です。雇用で見ると従業員1万人の企業は、その家族を含め数万の人の生活を支えていると言っても過言ではありません。また企業が支払う法人税は、莫大な政府の財源となっていることは間違いありません。
一方で、企業活動が社会や環境に及ぼす悪影響があることも確かです。大気汚染は、空気という公共財の価値を下げていることになります。環境破壊もそうですし、いまや民間衛星が宇宙に出すデブリ(ゴミ)も大きな問題となりつつあります。
この事業で生み出す価値と社会価値を両立させようという考えが、CSV(共有価値の創造)です。ハーバード大学の経営学者、マイケル・ポーターが提唱した概念で、彼は、事業を通して社会価値を生み出すことこそが、企業の使命であり、競争優位につながると主張します。それは、企業が事業を通して培った最も得意な領域で、社会価値を生み出すのが最も効率的だとし、さらに社会価値と両立する事業を構築することこそイノベーションであり、それが本業を強くすると主張します。
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