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 オバマ米大統領が、5月末の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で訪日した際に被爆地広島を訪問する可能性を探っている。「核なき世界」を訴えるオバマ氏はこれまでも広島訪問の意義に言及。ただ、米国内では反対論も根強いだけに、ケリー国務長官の広島訪問への国内外の反応を見極めて、慎重に判断する方針だ。

 オバマ氏は、就任間もない2009年4月のプラハ演説で「核なき世界」を訴え、「核兵器を使った唯一の国として行動する道義的責任がある」と踏み込んだ。

■過去3度見送り

 大統領として初来日した09年11月の記者会見では、「広島、長崎を将来訪れることができれば、非常に名誉で、私にとって有意義なことだ」と話した。

 ただ、当時は米国内に慎重論が強かった。日本の外務省高官も初来日の前に、水面下で「大統領の広島訪問は時期尚早だ」と否定的見解を米側に伝えていたことが、米政府の公文書で明らかになっている。

 オバマ氏は過去3度の訪日でいずれも広島訪問を見送る一方、10年には当時のルース駐日米大使が米政府代表として平和記念式典に初出席。その後もオバマ政権の要人が相次ぎ広島を訪問。来週のG7外相会合でも、ケリー長官が米政府の閣僚として初めて平和記念公園を訪れる。